学童はかわいそう?そう言われる理由と子どもへの影響について
学童小学校に入ると放課後の居場所として学童を考える一方で、周りから「かわいそう」と言われて迷う保護者もいます。
放課後も夕方まで集団の中で過ごすことになるため、子どもに負担がかかっていないかと気になることもあります。
一方で、仕事を続けるためには放課後に安心して過ごせる場所が必要で、ほかに頼れる先が見つからない家庭もあるものです。
学童がかわいそうかどうか、そう言われる理由、通うことで得られること、親ができることまで順に確認していきます。
学童はかわいそう?
学童がかわいそうかどうかについては、公立の学童をメインに過ごす子どもの自己肯定感が全体を上回り、保護者の満足度も約8割という調査がある一方で、人数の多さや外遊びの不足などの課題も挙げられており、学童の環境と子どもとの相性によって変わるといえます。
「学童はかわいそう」という声は、体験談や周りの意見として語られることがあり、子どもが実際にどう感じているかは見えにくいものです。
ここでは、小学生の放課後の過ごし方を調べた調査から、学童に通う子どもと保護者の実態を確認します。
学童に通う子どもの自己肯定感とチャレンジ意欲
放課後NPOアフタースクールが2025年12月に全国の小学生の保護者2,283人に行った「小学生の放課後の居場所に関する実態調査2026」では、放課後の主な過ごし方別に、子どもの状況を比べています。
公立の学童をメインに過ごす子どもの結果は、次のとおりです。
| 項目 | 公立の学童をメインに過ごす子ども | 全体 |
|---|---|---|
| 自己肯定感 | 86.7% | 83.8% |
| チャレンジ意欲 | 66.9% | 61.1% |
| 将来への希望 | 85.7% | 83.0% |
いずれの項目でも、公立の学童をメインに過ごす子どもは全体を上回っています。
同じ調査では、学童について「行きたい・好き」「ほっとできる」と答えた子どもの割合も、習い事などと並んで高い傾向にあるとされています。
保護者の満足度と、満足・不満の理由
同じ調査では、子どもの放課後の過ごし方に対する保護者の満足度は、全体で78.7%でした。
満足している理由としては「楽しさ」や「安心」が挙がり、不満の理由としては「外遊び不足」や「メディア時間の多さ」が挙がっています。
公立の学童を利用している保護者からは、「色々な価値観を持った同級生や大人と接する機会があることは将来の為になる」という声がある一方で、「通っている学童は外遊びがほとんどないから」という不満の声も紹介されています。
同じ学童という場所でも、施設ごとの過ごし方によって、保護者の受け止め方が分かれていることがわかります。
学童を辞めたあとの子どもの変化
同じ調査では、公立の学童を退所した289人について、退所後の過ごし方も調べています。
退所後に「自宅で留守番」がメインになった割合は23.5%で、全体の6.1%を17.4ポイント上回り、週4回以上留守番をしている割合も20.4%と、全体の7.5%より高くなっています。
また、退所した子どもの自己肯定感は全体より10.3ポイント低く、チャレンジ意欲は21.4ポイント低いという結果も示されています。
学童を辞めることで、かえって一人で過ごす時間が増える場合もあるため、学童に通うことだけを「かわいそう」と考えるのではなく、辞めたあとの過ごし方とあわせて考えることが大切です。
このように、学童がかわいそうかどうかについては、公立の学童をメインに過ごす子どもの自己肯定感が全体を上回り、保護者の満足度も約8割という調査がある一方で、人数の多さや外遊びの不足などの課題も挙げられており、学童の環境と子どもとの相性によって変わるといえます。
次は、学童がかわいそうと言われる理由を確認します。
学童がかわいそうと言われる理由
学童がかわいそうと言われるのは、夕方や長期休暇中に長い時間を過ごすこと、人数が多く自由に過ごしにくいこと、子どもが行きたがらないことがあること、「預けるだけ」の場所だと感じる保護者もいることなどが理由として考えられます。
かわいそうと言われる背景には、学童の実際の環境に関わるものもあります。
それぞれの理由を、調査の数字とあわせて確認します。
夕方や長期休暇中に長い時間を過ごす
こども家庭庁が公表した令和7年の放課後児童クラブの実施状況では、平日の終了時刻は18時31分から19時までが54.9%で最も多くなっています。
夏休みなどの長期休暇中の開所時刻は8時台が61.1%で、朝から夕方まで学童で過ごす子どももいます。
学校が終わってから、あるいは朝から夕方まで集団の中で過ごす時間が長くなることが、子どもが疲れてしまうのではないか、家でゆっくりできないのではないかという心配につながっています。
人数が多く、自由に過ごしにくい
同じ実施状況では、登録児童が71人以上のクラブが全体の27.5%を占めています。
放課後NPOアフタースクールの調査でも、学童の課題として、人数の多さ、音環境、外遊びの不足、活動内容を選べる幅の狭さが挙げられています。
学童を利用している1年生の子どもからは「家で周りを気にしないで遊びたい」という声も紹介されており、大人数の中で過ごすことが窮屈に感じられる場合があることがわかります。
子どもが行きたがらないことがある
小学館の育児情報メディア「HugKum」のHugKum総研が2026年に保護者1,250人に行った調査では、学童に通う子どもの約7割が「行きたくない」と感じた経験があるとされています。
放課後NPOアフタースクールの調査でも、公立の学童を退所した理由で最も多かったのは「子どもが行きたがらなくなった」で、36.7%でした。
子どもが嫌がる様子を見ると、親としても通わせ続けることがかわいそうに感じられることがあります。
「預けるだけ」の場所だと感じる保護者もいる
保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」が2026年6月に学童を利用している保護者111人に行った調査では、学童が「預けるだけ」の場所になっていると感じる保護者が、「非常にそう思う」「ややそう思う」を合わせて77.4%でした。
学童での過ごし方や中身に不安や疑問があると答えた保護者も76.5%にのぼり、その内容としては、学習面のサポート不足が61.2%、活動内容が見えにくいが44.7%、体験や習い事のような学びの機会が少ないが43.5%となっています。
学童で子どもがどのように過ごしているのかが見えにくいことも、かわいそうではないかという不安につながっていると考えられます。
このように、学童がかわいそうと言われるのは、夕方や長期休暇中に長い時間を過ごすこと、人数が多く自由に過ごしにくいこと、子どもが行きたがらないことがあること、「預けるだけ」の場所だと感じる保護者もいることなどが理由として考えられます。
次は、学童に通うことで得られることを確認します。
学童に通うことで得られること
学童に通うことで、友達や先生、ほかの学年の子どもと関わる経験ができ、大人の見守りの中で放課後を安心して過ごせるため、子どもにとってもよい面があります。
学童には課題がある一方で、通っているからこそ得られる経験もあります。
かわいそうかどうかを考えるときは、よい面もあわせて見ておくことが大切です。
友達や先生、ほかの学年との関わり
放課後NPOアフタースクールの調査では、学童を利用してよかった点として、友達や先生との交流、多様な体験、大人やほかの学年との関わりが挙げられています。
公立の学童に通う2年生の子どもからは、「仲の良い友達や先生と遊んだり、やったことのない工作などが沢山できて楽しい」という声も紹介されています。
学童では1年生から高学年までの子どもが一緒に過ごすため、年上の子どもに遊びを教わったり、年下の子どもの面倒を見たりする経験ができます。
学校の同じクラスの友達だけでなく、ほかのクラスや学年の友達ができることも、学童ならではの経験です。
大人の見守りの中で放課後を過ごせる
学童は、国の「放課後児童クラブ運営指針」に沿って運営されており、子どもが安心して過ごせる生活の場としてふさわしい環境を整えることが求められています。
学童には放課後児童支援員などの職員がいて、子どもの出欠を確認し、遊びや宿題、おやつの時間を見守っています。
保護者が仕事をしている間も、大人の目がある場所で過ごせることは、子どもにとっても保護者にとっても安心につながります。
先に見たように、学童を退所したあとに留守番の時間が増えた子どもでは、自己肯定感やチャレンジ意欲が全体より低い結果も出ているため、大人や友達と関わりながら過ごせる場所があることの意味は大きいといえます。
このように、学童に通うことで、友達や先生、ほかの学年の子どもと関わる経験ができ、大人の見守りの中で放課後を安心して過ごせるため、子どもにとってもよい面があります。
次は、学童をかわいそうな場所にしないために親ができることを確認します。
学童をかわいそうな場所にしないために親ができること
学童をかわいそうな場所にしないためには、学童での様子を職員や子どもから知り、子どもの気持ちを聞いたうえで、必要に応じて習い事や祖父母の家など学童以外の居場所と組み合わせることが大切です。
学童が子どもにとって楽しい場所になるかどうかは、学童の環境だけでなく、家庭での関わり方によっても変わります。
子どもが学童で過ごす時間を前向きに受け止められるよう、親としてできることを確認します。
学童での様子を知る
子ねくとラボの調査では、子どもの学童での過ごし方を十分に把握できていると答えた保護者は、「非常にそう思う」「ややそう思う」を合わせて76.5%でした。
裏を返せば、4人に1人ほどの保護者は、学童での過ごし方を十分に把握できていないと感じていることになります。
お迎えのときや連絡帳で、職員に子どもの様子を聞いたり、学童のおたよりや行事に目を通したりすることで、学童での過ごし方が見えてきます。
学童の行事や保護者会に参加できる場合は、実際に学童の雰囲気を見ておくことも、子どもとの会話のきっかけになります。
子どもの気持ちを聞く
子どもが学童についてどう感じているかは、子ども自身に聞いてみることが一番の手がかりになります。
「今日は学童で何をして遊んだ?」「誰と遊んだ?」など、答えやすい質問から始めると、学童での様子を話してくれることがあります。
子どもが学童を嫌がる様子を見せる場合は、すぐに結論を出すのではなく、何が嫌なのかを聞いたうえで、職員と相談しながら対応を考えます。
楽しそうに話してくれる場合は、その気持ちを受け止めて一緒に喜ぶことで、子どもも学童での時間を前向きに受け止めやすくなります。
学童以外の居場所と組み合わせる
毎日学童で過ごすことが子どもの負担になっている場合は、週に何日か習い事に通う日や、祖父母の家で過ごす日を作るなど、学童以外の居場所と組み合わせる方法もあります。
放課後NPOアフタースクールの調査では、学童を退所した理由として「習い事等の代替手段ができた」が13.5%挙がっており、習い事を放課後の居場所の一つとして選んでいる家庭もあります。
習い事に通う日は、子どもが一人で教室に向かう場面もあるため、保護者が仕事中に子どもが教室に着いたかどうかを確認できるかも大切な点です。
LINE入退クラウドは、塾や習い事の教室で子どもがQRコードやICカードをかざすだけで、教室に着いた時刻と出た時刻を保護者のLINEに自動で通知する入退室管理システムです。
このように、学童をかわいそうな場所にしないためには、学童での様子を職員や子どもから知り、子どもの気持ちを聞いたうえで、必要に応じて習い事や祖父母の家など学童以外の居場所と組み合わせることが大切です。


