学童保育の先生とは?資格・仕事内容・給料と人数の基準について

学童

学童保育の先生がどんな立場で働き、どのような決まりのもとで子どもを預かっているのかは、外からはなかなか見えにくいものです。

放課後に子どもを預ける側からすると、資格を持った人が見てくれているのか、何人の大人で見ているのかは気になるところです。

これから働こうとしている人にとっても、必要な資格や給料、毎日の仕事の中身は事前に知っておきたい情報です。

学童保育の先生について、資格・仕事内容・人数の基準・給料・求められる対応まで順に確認していきます。

学童保育の先生とは?

学童保育の先生とは、放課後児童クラブで子どもの生活と遊びを支える職員のことで、国の基準では「放課後児童支援員」と、それを補助する「補助員」の2種類に分かれています。

学童保育は、正式には「放課後児童健全育成事業」と呼ばれ、保護者が仕事などで昼間家にいない小学生を、放課後や長期休みに預かる事業です。

学校の教室や児童館、民間の施設などで運営されており、利用する側からは「学童」「放課後児童クラブ」「学童クラブ」など地域によってさまざまな名前で呼ばれています。

そこで子どもを見ている大人が、一般に学童保育の先生と呼ばれている職員です。

学校の先生のように授業をするわけではなく、子どもが安心して放課後を過ごせるように、生活の場としての学童を整えるのが役割です。

放課後児童支援員と補助員の違い

学童保育の先生には、国の基準で定められた2つの立場があります。

区分 資格の要否 主な役割
放課後児童支援員 基礎資格+都道府県の認定資格研修の修了が必要 支援の中心となり、育成支援の計画や保護者対応を担う
補助員 資格は不要 放課後児童支援員の支援を補助する

放課後児童支援員は、保育士や教員免許などの基礎資格を持ったうえで、都道府県が行う研修を修了した人だけが名乗れる資格です。

補助員は資格がなくても就くことができ、大学生のアルバイトや子育てを終えた主婦・主夫など、さまざまな人が働いています。

子どもや保護者から見ると、どちらも同じ学童保育の先生ですが、施設の中での責任の範囲には違いがあります。

「先生」と呼ばれる理由と現場での呼び方

学童保育の職員は、2015年に放課後児童支援員の資格ができる前から「学童保育指導員」と呼ばれてきました。

今でも求人や自治体の資料では「指導員」という呼び方が使われることが多く、放課後児童支援員・補助員・指導員がほぼ同じ意味で使われている場面もあります。

子どもたちからは、学校と同じように「〇〇先生」と呼ばれるのが一般的です。

ただし、生活の場であることを大切にして、名前やあだ名で呼び合うことを方針にしている施設もあり、呼び方は施設ごとに異なります。

このように、学童保育の先生とは、放課後児童クラブで子どもの生活と遊びを支える職員のことで、国の基準では「放課後児童支援員」と、それを補助する「補助員」の2種類に分かれています。

次は、学童保育の先生になるために必要な資格を確認します。

学童保育の先生になるために必要な資格

学童保育の先生として働くこと自体に資格は必須ではなく、補助員なら無資格でも働けますが、放課後児童支援員になるには基礎資格に加えて都道府県の認定資格研修を修了する必要があります。

国の基準では、学童保育の各施設に放課後児童支援員を置くことが義務づけられています。

そのため、どの施設にも少なくとも1人は資格を持った先生がいることになり、ほかの先生は補助員として働く形が成り立っています。

資格がなくても補助員として働ける

補助員には資格の決まりがないため、未経験・無資格でも学童保育の先生として働き始めることができます。

求人では「子どもが好きな方」「長く働ける方」といった条件が中心で、学歴や経験を問わない募集も多く見られます。

補助員として働きながら児童福祉の仕事の経験を積み、条件を満たしたところで放課後児童支援員の研修を受けるという流れで、資格を取る人もいます。

放課後児童支援員の認定資格研修(16科目・24時間)と受講要件

放課後児童支援員になるには、次のいずれかに当てはまる人が、都道府県知事が行う研修を修了する必要があります。

  • 保育士の資格を持っている人
  • 社会福祉士の資格を持っている人
  • 高校卒業者などで、2年以上児童福祉事業に従事した人
  • 幼稚園・小学校・中学校・高校・中等教育学校の教諭となる資格を持っている人
  • 大学で社会福祉学・心理学・教育学・社会学・芸術学・体育学などの学科を卒業した人
  • 高校卒業者などで、2年以上放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事し、市町村長が適当と認めた人

研修は、静岡県の場合で全16科目・24時間(6時間×4日)という内容で行われています。

研修は各都道府県が実施しており、受講できる人の条件として、その都道府県に住んでいる、または働いていることを求めているところもあります。

日程や申込方法は都道府県ごとに異なるため、働く予定の地域の募集情報を確認しておくことが大切です。

持っていると有利な資格(保育士・教員免許など)

受講要件にも含まれている保育士資格と教員免許は、学童保育の先生として働くうえで特に有利な資格です。

保育士資格を持っていれば、子どもの発達や生活の援助についての知識があることが伝わり、採用で評価されやすくなります。

教員免許を持っている人は、宿題の見守りや学習面の声かけに強みがあり、学校との連携が多い施設で重宝されます。

社会福祉士や心理系の学科の卒業も、配慮が必要な子どもへの対応や保護者からの相談に生かせる背景として評価されます。

このように、学童保育の先生として働くこと自体に資格は必須ではなく、補助員なら無資格でも働けますが、放課後児童支援員になるには基礎資格に加えて都道府県の認定資格研修を修了する必要があります。

次は、学童保育の先生の仕事内容と1日の流れを確認します。

学童保育の先生の仕事内容と1日の流れ

学童保育の先生の仕事は、子どもを迎え入れてから保護者に引き渡すまでの安全管理を軸に、宿題の見守り・遊び・おやつ・保護者との連絡までを1日の中でこなすことです。

子どもが来る前の準備から、全員が帰ったあとの片付けや記録まで、子どもと関わる時間以外の仕事も多くあります。

平日と長期休みでは1日の流れが大きく変わるため、それぞれの流れを分けて見ていきます。

平日の流れ(登所確認からお迎えまで)

平日は、学校が終わる時間に合わせて子どもを迎え入れることから1日が本格的に始まります。

時間(一例) 主な仕事
12時〜 出勤、打ち合わせ、おやつや遊びの準備
14時〜 子どもの到着確認、出欠の確認
15時〜 宿題の見守り
16時〜 おやつ、外遊び・室内遊び
17時〜 順次お迎え、保護者への引き渡し
19時〜 片付け、記録の作成、翌日の準備

時間は施設や学年によって異なりますが、低学年の下校時刻から子どもが少しずつ集まり、高学年が加わるころに人数が最も多くなります。

到着した子どもの名前を確認し、来るはずの子どもが来ていない場合には、保護者や学校に連絡して所在を確かめるのも大切な仕事です。

宿題の時間には、答えを教えるのではなく、自分で取り組めるように声をかけて見守るのが基本です。

おやつは、アレルギーのある子どもへの配慮をしながら準備し、遊びの時間はけががないように全体を見渡します。

夏休みなど長期休暇中の流れ

夏休みや冬休みなどの長期休みには、朝から夕方まで1日を通して子どもを預かることになります。

朝の開所から子どもが集まり、午前中は宿題や学習の時間、昼食をはさんで午後は遊びやイベントの時間にあてる流れが一般的です。

長期休みは平日より預かる時間が長く、利用する子どもの数も増えるため、先生の勤務時間やシフトも増えます。

プール、工作、お祭りなどのイベントを企画するのも、この時期の学童保育の先生の大きな仕事です。

保護者対応と連絡業務

学童保育の先生の仕事には、子どもの様子を保護者に伝え、保護者からの連絡を受ける業務も含まれます。

お迎えのときにその日の様子を伝えたり、けがやトラブルがあった場合に連絡したりするほか、欠席や早退の連絡を受けて出欠を管理します。

保護者から多い問い合わせの一つが、「子どもはもう着いていますか」という到着の確認です。

子どもが多い時間帯にこうした電話が重なると、子どもを見ている先生の手が止まり、全体を見渡す人が減ってしまいます。

LINE入退クラウドは、子どもがQRコードやICカードをかざすだけで、到着と帰宅の時刻を保護者のLINEへ自動で通知する入退室管理システムです。

到着と帰宅が保護者に自動で伝わるようになれば、確認の電話に対応する時間を子どもと関わる時間に回すことができます。

このように、学童保育の先生の仕事は、子どもを迎え入れてから保護者に引き渡すまでの安全管理を軸に、宿題の見守り・遊び・おやつ・保護者との連絡までを1日の中でこなすことです。

次は、学童保育の先生の人数がどのように決まっているかを確認します。

学童保育の先生の人数は何人と決まっているか

学童保育の先生の人数は、国の基準で、おおむね40人以下の「支援の単位」ごとに2人以上と定められており、そのうち1人は放課後児童支援員でなければなりません。

この基準は、国の「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」の第10条で定められています。

先生の人数は施設全体ではなく、子どものまとまりである支援の単位ごとに数えるのがポイントです。

支援の単位(おおむね40人以下)ごとに2人以上の配置

支援の単位とは、同時に一体的に支援を受ける子どものまとまりのことで、1つの単位はおおむね40人以下とされています。

たとえば、子どもが70人いる施設であれば2つの支援の単位に分かれ、それぞれに2人以上、合わせて4人以上の先生が必要になります。

各単位の2人のうち、放課後児童支援員でなければならないのは1人で、もう1人は補助員でもかまわないとされています。

なお、この人数の基準は、2019年の法改正で、市町村が地域の実情に応じて定めることのできる「参酌すべき基準」に変わりました。

実際の配置人数は市町村の条例で決まっているため、自治体によって国の基準と異なる場合があります。

人手不足の現場で起きていること

40人の子どもを2人の先生で見る場合、1人が保護者対応や電話に入ると、残りの1人だけで全体を見渡すことになります。

その間にけがやトラブルが起きると対応が遅れやすく、少ない人数で運営している施設ほど、子どもから目を離す時間をどれだけ減らせるかが課題になります。

到着確認や出欠の管理、保護者への連絡といった、子どもと直接関わらない仕事を減らすことが、安全を保つうえで欠かせません。

WebPush入退クラウドは、LINEを使わずにブラウザのプッシュ通知で入退室を保護者に知らせる仕組みで、月額4,950円の定額のため、毎日通う子どもが多い学童保育でも通知数による追加費用がかかりません。

このように、学童保育の先生の人数は、国の基準で、おおむね40人以下の「支援の単位」ごとに2人以上と定められており、そのうち1人は放課後児童支援員でなければなりません。

次は、学童保育の先生の給料・時給の目安を確認します。

学童保育の先生の給料・時給の目安

学童保育の先生の給料は、運営主体や雇用形態によって差が大きく、転職サイトの集計では正社員で年収250万〜400万円程度、パート・アルバイトで時給1,000〜1,300円程度が目安とされています。

学童保育は、市町村が直接運営する公営、市町村から委託を受けた法人が運営する形、民間企業が独自に運営する形など、運営の仕組みがさまざまです。

同じ地域でも運営主体によって給与体系が異なるため、求人を見る際は雇用形態と運営主体を合わせて確認することが大切です。

正社員と非常勤・パートの違い

学童保育の先生は、子どもが来る午後から夜にかけての勤務が中心になるため、非常勤やパート・アルバイトとして働く人が多い仕事です。

正社員は、施設の運営や育成支援の計画、保護者対応、ほかの先生のシフト管理などを担い、責任の大きさに応じた給与が支払われます。

パート・アルバイトは、平日の午後を中心に週数日から働けるため、学生や子育て中の人が働きやすい雇用形態です。

民間の学童保育では、英語や習い事を取り入れた施設もあり、専門性に応じて時給が高めに設定されている場合もあります。

資格手当と処遇改善の仕組み

放課後児童支援員の資格を持っていると、資格手当が付いたり、補助員より高い時給が設定されたりする施設が多くあります。

国には、放課後児童支援員の賃金を上げるための「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業」という補助の仕組みがあります。

この事業では、経験年数や研修の受講状況に応じて3つの区分が設けられており、平成30年度の補助基準額は年額で次のとおりでした。

区分 要件 補助基準額(年額・平成30年度)
支援員Ⅰ 放課後児童支援員 125,000円
支援員Ⅱ 経験5年以上で一定の研修を受講した人 251,000円
支援員Ⅲ 経験10年以上で事業所長的な立場にある人 377,000円

基準額は要綱の改正にあわせて見直されており、この事業を実施するかどうかも市町村によって異なります。

経験を積み、研修を受けて立場が上がるほど給与が上がる仕組みが用意されているため、長く続けるほど待遇が改善しやすい仕事といえます。

このように、学童保育の先生の給料は、運営主体や雇用形態によって差が大きく、転職サイトの集計では正社員で年収250万〜400万円程度、パート・アルバイトで時給1,000〜1,300円程度が目安とされています。

次は、学童保育の先生に求められる対応と服装を確認します。

学童保育の先生に求められる対応と服装

学童保育の先生に求められるのは、子ども同士のトラブルにも保護者からの相談にも落ち着いて対応できることで、服装も動きやすさと安全を最優先に選ぶことが基本です。

学童保育には1年生から6年生まで年齢の違う子どもが集まるため、学校以上にさまざまな場面に出会います。

先生の対応ひとつで、子どもにとっても保護者にとっても安心できる場所かどうかが決まります。

子ども・保護者への対応で求められること

子ども同士のけんかやトラブルが起きたときは、どちらか一方を責めるのではなく、双方の話を聞いてから気持ちを整理する手助けをすることが求められます。

学年が違う子どもが一緒に過ごすため、高学年が低学年の面倒を見られるように声をかけるなど、子ども同士の関係を育てる関わり方も大切です。

発達に特性のある子どもや、配慮が必要な子どもが利用している場合は、保護者や学校と情報を共有しながら一人ひとりに合った関わり方を考えます。

保護者への対応では、その日にあったことを、良いことも気になることも具体的に伝えることが信頼につながります。

けがやトラブルがあった場合は、お迎えのときまで待たずに、その場で連絡を入れることが基本です。

保護者から苦情や相談を受けたときは、先生が一人で抱え込まず、施設の責任者と共有して対応を決めることが、トラブルを大きくしないための方法です。

動きやすさと安全を優先した服装

学童保育の先生の服装は、外遊びや体を使った遊びに一緒に参加できる、動きやすい服装が基本です。

Tシャツやポロシャツにジャージやチノパンを合わせた服装が多く、施設によってはおそろいのエプロンやポロシャツが用意されていることもあります。

子どもとの接触や遊具でのけがを防ぐため、次のようなものは避けるのが一般的です。

  • フードやひもの付いた服
  • ネックレス・指輪などのアクセサリー
  • 長い爪やネイル
  • サンダルやヒールのある靴

外遊びの時間がある施設では、夏は帽子、冬は防寒着を用意しておくと、子どもと一緒に外で過ごす時間にも対応できます。

服装の決まりは施設ごとに異なるため、働き始める前に確認しておくと安心です。

このように、学童保育の先生に求められるのは、子ども同士のトラブルにも保護者からの相談にも落ち着いて対応できることで、服装も動きやすさと安全を最優先に選ぶことが基本です。

株式会社エクレ

2012年より学習塾を経営し、10年以上にわたり学習塾の経営・運営に携わる。他塾のコンサルティング・新規立ち上げ支援も手がけてきた。塾経営の現場で感じたコスト・利便性の課題を起点に、学習塾・スクール向け入退室管理システム「LINE入退クラウド」(2025年)「WebPush入退クラウド」(2026年)を開発・運営。Webサイト制作・SEO・デジタルマーケティング支援も行っている。