学童保育に預ける条件とは?就労時間の基準と必要書類について

学童

学童保育に預ける条件は、自治体の案内を見ても細かな決まりが多く、自分の家庭が当てはまるのかを判断しにくいものです。

パートや在宅勤務ではどうなのか、祖父母と同居している場合はどう扱われるのかなど、家庭ごとに確かめたい点は異なります。

入所の申込みは毎年決まった時期に行われるため、仕組みを知らないまま締め切りを迎えると、翌年度の居場所に影響します。

学童保育に預ける条件について、基本の決まり、就労時間の基準、注意が必要なケース、必要書類、利用開始後の注意点まで順に確認していきます。

学童保育に預ける条件とは?

学童保育に預ける条件とは、小学生であることと、保護者が仕事などで昼間家にいないことの2つが基本で、自治体によっては同居する親族の状況も含め、就労の日数や時間などの具体的な基準を市町村が定めています。

学童保育は、正式には「放課後児童健全育成事業」と呼ばれ、児童福祉法にもとづいて行われている事業です。

国が基本的な対象を定め、実際に誰が利用できるかの細かな基準は、それぞれの市町村が条例や要綱で決めています。

そのため、同じ働き方をしていても、住んでいる自治体によって学童保育を利用できるかどうかが変わることがあります。

法律と条例が定める基本の条件

学童保育の対象は、小学校に通う子どものうち、保護者が仕事などで昼間家にいない子どもです。

たとえば福岡市の条例では、市内に住所がある児童または市立小学校に在学している児童のうち、保護者と同居する親族が労働などのため昼間家庭にいないことが常態であることなどにより、放課後に家庭で適切な保護を受けられないと認められる児童を、入会できる児童としています。

このように、保護者だけでなく同居する親族の状況まで含めて判断する自治体もあります。

対象となる学年は1年生から6年生までですが、定員を超える場合は低学年が優先されることがあります。

福島県郡山市の入所選考基準では、1年生から3年生までは入所の要件を満たせば原則全員を受け入れ、4年生から6年生までは低学年の入所状況によって入所を制限することがあるとされています。

条件を満たしていても、学年や定員の状況によって入所できない場合があることは知っておく必要があります。

就労以外に認められる理由

学童保育を利用できる理由は、保護者の就労だけではありません。

東京都目黒区の学童保育クラブの利用要件では、就労のほかに、次のような理由が認められています。

  • 就学・技能訓練:学校や職業訓練施設に通っている
  • 疾病:入院、けがや病気による自宅療養など
  • 心身障害:心身の障害により保育が困難
  • 看護・介護付添い:入院の付き添いや、自宅での常時の看護・介護が必要
  • 出産:妊娠中から出産後までの一定期間(短期の利用)
  • 災害等:災害による家屋の損壊や復旧のため家庭で保育できない

どの理由で申し込む場合も、学童保育が開いている時間に家庭で子どもを見られないことが必要とされています。

目黒区では、こうした保護者の状況が「4週で12日以上(日曜日を除く)」、開設時間内に保育が必要と認められることが基本の条件とされています。

出産を理由とする利用は、原則として妊娠中から出産後までを通じて14週間(多胎の場合は22週間)の短期の利用とされており、ずっと利用できるわけではない点にも注意が必要です。

公営の学童保育と民間学童の違い

ここまでの条件は、市町村が設置する公営の学童保育や、市町村が運営を委託している学童保育に当てはまるものです。

民間学童は、運営事業者がそれぞれ利用の条件を決めているため、保護者の就労を条件としていないところもあります。

公営の学童保育の条件を満たさない家庭でも、民間学童であれば利用できる場合があるため、条件とあわせて料金や時間を比べることが大切です。

民間学童は利用料が公営の学童保育より高くなる傾向がある一方で、終了時刻が遅い、送迎があるなど、公営の学童保育にはないサービスを用意しているところもあります。

このように、学童保育に預ける条件とは、小学生であることと、保護者が仕事などで昼間家にいないことの2つが基本で、自治体によっては同居する親族の状況も含め、就労の日数や時間などの具体的な基準を市町村が定めています。

次は、学童保育に預ける条件となる就労時間の基準を確認します。

学童保育に預ける条件となる就労時間の基準

学童保育に預ける条件となる就労時間の基準は自治体によって異なり、週3日以上や4週で12日以上の勤務、1日4時間以上の就労といった形で、日数と時間の両方を定めている自治体があります。

就労の基準は、学童保育が開いている時間に保護者が家にいないかどうかを判断するためのものです。

日数や時間の数え方は自治体ごとに細かく異なるため、自分の勤務の状況を当てはめて確認する必要があります。

自治体の基準の例

目黒区と新宿区の就労の基準を比べると、次のとおりです。

自治体 日数の基準 時間の基準
東京都目黒区 4週で12日以上(日曜日を除く) 1日4時間以上の就労が常態であること(残業・通勤時間を除く)
東京都新宿区 週3日以上 正午以降午後6時までの間で4時間以上(通勤時間と休憩時間を含む)

目黒区では、登校日の午後3時から午後6時15分(土曜日は午後6時まで)の開設時間内に、子どもを保育する人がいないことも求められています。

新宿区では、学校の休業期間については、午前8時以降午後6時までの間で4時間以上という基準が別に設けられています。

同じ「1日4時間以上」でも、通勤時間を含めるかどうかで実際に必要な勤務時間が変わるため、細かな数え方まで確認しておくことが大切です。

たとえば、正午から午後3時まで勤務し、通勤に片道30分かかる場合、通勤時間を含める新宿区の数え方では4時間に届きますが、通勤時間を除く目黒区の数え方では3時間となり、基準に届きません。

パート・自営業・在宅勤務の場合

パートタイムで働いている場合も、日数と時間の基準を満たしていれば、学童保育を利用することができます。

ただし、新宿区のように「正午以降午後6時までの間で4時間以上」と時間帯まで定めている自治体では、勤務が午前中だけで午後は家にいる場合、基準を満たさないことになります。

自営業やフリーランスの場合は、勤務の日数や時間を証明する書類の出し方が会社員と異なるため、どのような書類が必要になるかを事前に担当課に確認しておきます。

在宅勤務の場合も、自宅で仕事をしていて子どもを見られない状態であれば就労として扱われることがありますが、扱いは自治体によって異なるため、確認が必要です。

このように、学童保育に預ける条件となる就労時間の基準は自治体によって異なり、週3日以上や4週で12日以上の勤務、1日4時間以上の就労といった形で、日数と時間の両方を定めている自治体があります。

次は、学童保育に預ける条件で注意が必要なケースを確認します。

学童保育に預ける条件で注意が必要なケース

学童保育に預ける条件で注意が必要なのは、求職中の場合、育児休業を取る場合、同居の祖父母がいる場合、利用する日数が少ない場合の4つで、自治体によっては申し込めなかったり、利用中でも退所になったりすることがあります。

就労の基準を満たしているかどうかだけでなく、家庭の状況によっては、申込みの段階や利用を始めたあとに条件を満たさなくなることがあります。

自分の家庭が当てはまるケースがないか、申込みの前に確認しておきます。

求職中

求職中の場合は、まだ仕事が決まっていないため、学童保育の申込みができないことがあります。

目黒区の利用要件では、求職者は新規の申請ができないとされていますが、4月中の採用が内定している場合は申請できるとされています。

求職中の扱いは自治体によって異なるため、住んでいる自治体の要件で、申請できる時期と条件を確認しておきます。

仕事を探している場合は、内定の時期と学童保育の申込みの時期を合わせて考えることが大切です。

育児休業中

下の子の出産などで保護者が育児休業を取ると、家庭で子どもを見られる状態と判断され、学童保育の条件を満たさなくなることがあります。

目黒区の利用要件では、利用中の保護者が育児休業を取得した場合は退所になるとされています。

育児休業中の扱いは自治体によって異なる可能性があるため、育児休業を取る前に、住んでいる自治体の決まりを確認しておくことが大切です。

同居の祖父母がいる場合

祖父母と同居している場合は、祖父母が子どもを見られるかどうかも判断の対象になることがあります。

新宿区の利用要件のフローチャートでは、70歳未満の祖父母が同居している場合は保護者に代わり得るものとされ、祖父母の就労などの状況の確認が必要とされています。

福岡市の条例でも、保護者と同居する親族が昼間家庭にいないことが常態であることなどが入会の条件とされています。

祖父母が働いている場合や、病気や介護などで子どもを見られない場合は、その状況を証明する書類が必要になることがあります。

利用する日数が少ない場合

学童保育には、子どもが一定の日数以上利用することを条件としている自治体もあります。

目黒区では、利用日が週3日以上、または4週で12日以上であることが条件とされており、習い事などで休む日はその分を除いて数えるとされています。

さらに、出席が週2日以下、または4週で11日以下の状態が2か月続いた場合や、年間で合わせて3か月になった場合は、条件がなくなったとみなされて退所になるとされています。

習い事の日数が増えて学童保育に通う日が少なくなる場合は、こうした決まりに当てはまらないかを確認しておきます。

このように、学童保育に預ける条件で注意が必要なのは、求職中の場合、育児休業を取る場合、同居の祖父母がいる場合、利用する日数が少ない場合の4つで、自治体によっては申し込めなかったり、利用中でも退所になったりすることがあります。

次は、学童保育に預けるための申込みと必要書類を確認します。

学童保育に預けるための申込みと必要書類

学童保育に預けるための申込みでは、利用の理由を証明する就労証明書などの書類が必要で、申込みの時期も自治体ごとに決まっているため、早めに準備を始めることが大切です。

学童保育の申込みは、申込書を出すだけでなく、条件を満たしていることを書類で示す必要があります。

書類をそろえるのに時間がかかるものもあるため、申込みの時期から逆算して準備を進めます。

就労証明書などの書類

利用の理由によって、必要な書類は異なります。

就労を理由に申し込む場合は、勤務先に作成してもらう就労証明書など、勤務の日数や時間がわかる書類を求める自治体があります。

就労以外の理由については、新宿区の利用要件のフローチャートで、次のような書類が示されています。

利用の理由 主な書類
疾病 診断書
介護 介護保険証の写しなど
心身障害 障害者手帳の写し

就労証明書は勤務先に作成してもらう必要があるため、申込みの締め切りに間に合うよう、早めに依頼しておきます。

祖父母と同居している場合は、祖父母についても就労などの状況を示す書類を求められることがあります。

申込みの時期と選考

4月からの利用の申込みは、前の年度のうちに受付が行われるため、申込みの時期を自治体の案内で早めに確認しておく必要があります。

滋賀県守山市の令和8年度の入所案内では、一次募集のあとに空きがあるクラブで、令和8年1月13日から21日まで二次募集を行うとされており、一次募集はそれより前に締め切られています。

定員を超えた場合は、守山市のように入所審査基準表の点数で判断したり、沼津市のように学年や就労状況などを考えた優先度の高い家庭から入会を決めたりと、選考が行われます。

年度の途中から利用したい場合は、守山市では原則として入所月の前々月末日までに申し込む必要があるとされています。

静岡県沼津市の令和8年度の入会申込案内では、入会が認められなかった場合でも入会資格そのものがなくなるわけではなく、申し込んだクラブで退会者などが出た場合は再び選考の対象となり、年度途中から入会できることがあるとされています。

条件を満たしていても定員の関係で入所できないことがあるため、申込みと並行して、民間学童などほかの預け先も調べておくと安心です。

このように、学童保育に預けるための申込みでは、利用の理由を証明する就労証明書などの書類が必要で、申込みの時期も自治体ごとに決まっているため、早めに準備を始めることが大切です。

次は、学童保育に預けたあとに確認しておきたいことを確認します。

学童保育に預けたあとに確認しておきたいこと

学童保育に預けたあとは、仕事や家庭の状況が変わったときに届出が必要かどうかと、子どもの到着や帰宅を保護者がどのように確認できるかを把握しておくことが大切です。

学童保育の条件は、入所のときだけでなく、利用している間も満たしている必要があります。

利用を始めたあとに状況が変わっても、届出をしないままにしておくと、あとから退所を求められることもあります。

条件が変わったときの届出

転職、勤務時間の変更、退職、育児休業の取得、引っ越しなど、家庭の状況が変わったときは、学童保育の担当課に届け出る必要がある場合があります。

目黒区の利用要件では、保護者または児童の状況が解消・喪失して要件を満たさなくなった場合は退所になるとされ、書類に虚偽があり要件を満たさないとわかった場合は承認を取り消すとされています。

勤務時間が減る場合などは、条件を満たし続けられるかどうかを、変更の前に担当課に確認しておくと安心です。

反対に、勤務の状況が変わって条件を満たすようになった場合は、年度途中の入所や次の年度の申込みで有利になることもあります。

目黒区では、出席が少ない状態が続いた場合も条件がなくなったとみなされるため、習い事を増やす際などは、通う日数にも気を配る必要があります。

子どもの到着と帰宅の確認

学童保育を利用していても、保護者が仕事中に子どもの様子を知る方法は限られています。

学校から学童保育に着いたか、学童保育を出て家に向かったかを知る方法があるかどうかは、利用を始める前に確認しておきたい点の一つです。

学童保育によっては、子どもが来ていない場合に保護者へ連絡する決まりを設けているところもあるため、欠席や遅刻の連絡方法とあわせて確認しておきます。

LINE入退クラウドは、子どもがQRコードやICカードをかざすだけで、施設に着いた時刻と出た時刻を保護者のLINEに自動で通知する入退室管理システムで、学童保育や塾、習い事の教室で利用できます。

入退室の通知を導入している施設であれば、保護者が仕事中でも、子どもが施設に着いたことと帰路についたことをその場で確認できます。

このように、学童保育に預けたあとは、仕事や家庭の状況が変わったときに届出が必要かどうかと、子どもの到着や帰宅を保護者がどのように確認できるかを把握しておくことが大切です。

株式会社エクレ

2012年より学習塾を経営し、10年以上にわたり学習塾の経営・運営に携わる。他塾のコンサルティング・新規立ち上げ支援も手がけてきた。塾経営の現場で感じたコスト・利便性の課題を起点に、学習塾・スクール向け入退室管理システム「LINE入退クラウド」(2025年)「WebPush入退クラウド」(2026年)を開発・運営。Webサイト制作・SEO・デジタルマーケティング支援も行っている。