学童とは?小学校との関係と学校内にある学童保育の仕組み

学童

学童とは何なのか、小学校とどういう関係にあるのかは、子どもの入学を控えて初めて調べ始めたときに、意外とはっきりしない点です。

校舎の中に部屋があるのに先生は学校の先生ではない、同じ敷地内でも申込み先は役所だといったように、仕組みが見えにくいところがあります。

放課後に子どもが過ごす場所としては、ほかにも似た名前の取り組みがあり、違いがわからないまま情報を集めている保護者もいます。

学童とは何か、小学校との関係、校内にある施設の実態、放課後子ども教室との違い、移動と見守りまで順に確認していきます。

学童とは?

学童とは、一般に「学童保育(放課後児童クラブ)」のことで、保護者が仕事などで昼間家にいない小学生が、放課後や夏休みなどの長期休みを過ごす場所を指します。

日常の会話で「学童」と言う場合は、ほとんどがこの学童保育のことを指しています。

ただし、「学童」という言葉そのものには、別の意味もあります。

「学童」という言葉のもとの意味

「学童」は、もともと小学校に通っている子どものことを指す言葉です。

「学童期」という言葉は、小学校に通う年代の子どもの成長の時期を表す言葉として使われています。

学童保育は、この学童、つまり小学生を対象とした保育という意味で名付けられたもので、それが略されて「学童」と呼ばれるようになりました。

学童保育の正式名称と目的

学童保育は、児童福祉法にもとづく事業で、正式には「放課後児童健全育成事業」と呼ばれ、その事業を行う場所は「放課後児童クラブ」と呼ばれています。

地域によっては「学童クラブ」「児童クラブ」「育成室」など、さまざまな名前で呼ばれていますが、いずれも同じ事業です。

国の「放課後児童クラブ運営指針」では、学童保育を、子どもが安心して過ごせる生活の場として位置づけ、子どもの主体的な遊びや生活を支えることを目的としています。

勉強を教える場所ではなく、放課後の家庭の代わりとなる生活の場であることが、学童保育の大きな特徴です。

運営指針では、子どもが自ら進んで学童に通い続けられるように援助すること、子どもの出欠席と心身の状態を把握すること、おやつを適切に提供すること、子どもの様子を日常的に保護者に伝えることなどが、育成支援の内容として示されています。

宿題の時間はありますが、職員が勉強を教えるのではなく、子どもが自分で取り組めるように見守るのが基本です。

学童を利用できる子ども

学童を利用できるのは、小学1年生から6年生までの子どものうち、保護者が仕事などで昼間家にいない子どもです。

就労の日数や時間などの具体的な条件は、市町村がそれぞれ定めています。

定員を超える申込みがあった場合は選考が行われ、低学年が優先されることもあるため、学年や地域によっては入れないこともあります。

こども家庭庁の調査では、令和7年5月1日時点で全国の学童の登録児童数は1,570,645人で、そのうち1年生から3年生までが77.5%を占めています。

同じ時点で、希望しても利用できなかった子どもは16,330人いました。

このように、学童とは、一般に「学童保育(放課後児童クラブ)」のことで、保護者が仕事などで昼間家にいない小学生が、放課後や夏休みなどの長期休みを過ごす場所を指します。

次は、学童と小学校の関係を確認します。

学童と小学校の関係

学童と小学校は、同じ小学生を対象とし、校舎の中にあることも多いものの、学童は学校教育ではなく福祉の事業として小学校とは別に運営されており、両者は連携しながら子どもの放課後を支えています。

学童が小学校の中にあると、学校の一部のように感じられますが、制度の上では別のものです。

この違いを知っておくと、申込み先や相談先、職員の役割を理解しやすくなります。

学童は小学校の一部ではない

小学校は学校教育の場であり、学童は児童福祉法にもとづく福祉の事業として、目的も制度も異なります。

学童を運営しているのは、市町村、社会福祉法人やNPO法人、企業など、地域によってさまざまで、小学校が運営しているわけではありません。

そのため、学童の申込みは小学校ではなく、市町村の担当課や運営している事業者に対して行います。

学童の利用料や開所時間、休みの日なども、小学校とは別に決められています。

学童の職員は学校の先生ではない

学童で子どもを見ている職員は、小学校の教員ではなく、学童の運営者に雇われた職員です。

小学校の教員は授業や学級の運営を担い、学童の職員は放課後の子どもの生活を支えるというように、役割がはっきり分かれています。

国の基準では、学童には、保育士や教員免許などの基礎資格を持ち、都道府県の研修を修了した「放課後児童支援員」を、おおむね40人以下の子どものまとまりごとに配置することが定められています。

子どもたちからは「先生」と呼ばれることが多いものの、授業を行うのではなく、子どもの生活や遊びを支えるのが役割です。

放課後児童支援員の資格を取るための研修は、子どもの発達の理解や、保護者との連携、安全対策などを学ぶ内容で、学校の教員免許とは別の資格です。

運営指針が求める学校との連携

学童と小学校は別の仕組みですが、同じ子どもの放課後を支えるため、連携が欠かせません。

運営指針では、子どもの生活の連続性を保障するために、学校と情報交換や情報共有を日常的・定期的に行い、個人情報の扱いについてあらかじめ取り決めておくことが求められています。

学校での様子と学童での様子を職員同士が伝え合うことで、子どもの小さな変化にも気づきやすくなります。

学校行事や下校時刻の変更、災害時の対応なども、学校と学童の間で情報を共有しておく必要があります。

学校が休みでも学童は開いている日があり、反対に学校がある日でも学童が休みになる日があるため、保護者は学校と学童の両方の予定を確認しておく必要があります。

学校で起きたけがやトラブルについて相談したいときは学校に、学童で起きたことは学童の職員や運営者に伝えるというように、相談先を分けて考えることも大切です。

このように、学童と小学校は、同じ小学生を対象とし、校舎の中にあることも多いものの、学童は学校教育ではなく福祉の事業として小学校とは別に運営されており、両者は連携しながら子どもの放課後を支えています。

次は、小学校の中にある学童の実態を確認します。

小学校の中にある学童

小学校の中にある学童は全国の学童の51.2%を占めており、余裕教室を使うものと、学校の敷地内に専用の施設を建てるものの2つの形があります。

学童がどこにあるかは、子どもの移動の負担や安全に大きく関わります。

こども家庭庁が公表している令和7年5月1日時点の調査から、学童の実施場所を見ていきます。

学童の約半数は小学校の中にある

令和7年5月1日時点の全国25,928か所の放課後児童クラブの実施場所は、主に次のとおりです。

実施場所 クラブ数 割合
学校の余裕教室 6,994か所 27.0%
学校敷地内の専用施設 6,273か所 24.2%
小学校内の合計 13,267か所 51.2%
児童館 2,261か所 8.7%

余裕教室とは、児童数の減少などで使われなくなった教室のことで、そこを学童として使っています。

学校の敷地内の専用施設は、校庭の一角などに学童専用の建物を建てて運営しているものです。

残りの学童は、児童館のほか、公的な施設など小学校の外にあるさまざまな場所で運営されています。

小学校の中にある学童の良い点と課題

小学校の中に学童があると、子どもは授業が終わったあと、校舎の外に出ずに学童へ移動できます。

道路を歩いたり交通量の多い場所を通ったりする必要がないため、低学年の子どもでも安心して通えることが大きな利点です。

校庭や体育館を使って遊べる学童もあり、広い場所で体を動かせることも良い点です。

一方で、余裕教室を使う学童では、もともと教室として作られた部屋を使うため、子どもの人数に対して部屋が狭くなったり、静養できる場所が限られたりすることがあります。

国の基準では、学童の専用区画の面積は子ども1人につきおおむね1.65㎡以上とされていますが、子どもの人数が増えると、基準を満たしていても混み合っていると感じる場面が出てきます。

学校の行事や教室の使い方の都合で、学童が使える場所や時間が制限されることもあります。

国は学校施設の活用を進めている

こども家庭庁と文部科学省が令和7年12月に通知した「放課後児童対策パッケージ2026」では、学童の受け皿を増やすために、学校施設の活用を進めることが示されています。

具体的には、学校教育に支障が生じない範囲で、余裕教室の活用に加えて、低学年の普通教室、特別教室、学校図書館などのタイムシェアや、体育館や校庭などの有効活用を検討するよう、自治体に促していくとされています。

余裕教室の活用が見込めない場合は、学校の敷地内にプレハブ施設を整備することや、特別教室などを一時的に活用することを積極的に検討することも示されています。

このように、小学校の中にある学童は全国の学童の51.2%を占めており、余裕教室を使うものと、学校の敷地内に専用の施設を建てるものの2つの形があります。

次は、学童と放課後子ども教室の違いを確認します。

学童と放課後子ども教室の違い

学童と放課後子ども教室の違いは、学童が保護者の就労などを条件に小学生の放課後の生活の場を提供するのに対し、放課後子ども教室はすべての小学生を対象に学習や体験の機会を提供する点にあります。

どちらも小学校の中で行われることが多く、名前も似ているため、混同されやすい取り組みです。

利用の条件や過ごし方が大きく異なるため、家庭の状況に合わせて使い分けることが大切です。

対象・目的・時間の違い

学童と放課後子ども教室の主な違いは、次のとおりです。

項目 学童(放課後児童クラブ) 放課後子ども教室
対象 保護者が仕事などで昼間家にいない小学生 すべての小学生
目的 放課後の生活の場を提供する 学習や体験、交流の機会を提供する
国の担当 こども家庭庁 文部科学省
利用の条件 市町村が定める就労などの条件を満たし、申込みと選考を経る 保護者の就労などの条件はない

学童は、子どもが毎日の放課後や長期休みを過ごす場所であり、おやつや宿題の時間も含めて1日の生活を支えます。

放課後子ども教室は、地域の人の協力を得て、工作やスポーツ、学習などの活動を行う場で、開いている日や時間が限られていることがあります。

そのため、保護者が仕事で遅くまで帰らない家庭では、放課後子ども教室だけで毎日の放課後をまかなうことは難しく、学童と組み合わせて考えることになります。

放課後子ども教室が終わったあとの時間をどう過ごすかも、あらかじめ考えておく必要があります。

小学校内での校内交流型

放課後児童対策パッケージ2026では、学童と放課後子ども教室が連携して、共働き家庭の子どもを含めたすべての子どもが放課後子ども教室の活動に参加し、交流できるものを「連携型」としています。

そのうち、同じ小学校の中で両方の事業を行うものは、以前は「一体型」と呼ばれていましたが、パッケージ2024以降は「校内交流型」と改められています。

パッケージ2026では、小学校内で行われる学童と放課後子ども教室との校内交流型を強力に進めることが示されています。

校内交流型の学童では、学童に通う子どもも、学童に通っていない子どもと一緒に、放課後子ども教室の活動に参加することができます。

このように、学童と放課後子ども教室の違いは、学童が保護者の就労などを条件に小学生の放課後の生活の場を提供するのに対し、放課後子ども教室はすべての小学生を対象に学習や体験の機会を提供する点にあります。

次は、学童と小学校の間の移動と見守りを確認します。

学童と小学校の間の移動と見守り

学童が小学校の外にある場合は、子どもが学校から学童まで移動する時間が生まれるため、移動の道のりを確認したうえで、子どもが学童に着いたことと学童を出たことを保護者が確認できる仕組みを知っておくことが大切です。

全国の学童の約半数は小学校の外にあり、子どもは授業が終わったあと、道路を歩いて学童に向かうことになります。

小学校の中にある学童であっても、学童を出て家に帰るときは、子どもが一人で帰り道を歩くことがあります。

小学校の外にある学童へ移動する場合

小学校の外にある学童に通う場合は、学校から学童までの道のりを、入所の前に親子で一緒に歩いて確認しておきます。

交通量の多い交差点や、人通りの少ない場所がないかを確かめ、できるだけ安全な道を選ぶようにします。

運営指針では、学童に連絡なく来所が遅れた子どもについては、速やかに状況を把握して対応することが求められており、学童の側でも子どもの到着を確認しています。

下校時刻が変わる日や、学童を休む日は、学童に事前に連絡しておくことで、職員が子どもの所在を確認する手間を減らすことができます。

冬は日が暮れるのが早く、学童から帰る時間には外が暗くなっていることもあるため、季節によって帰り道の安全を見直すことも大切です。

到着と帰宅を確認する仕組み

保護者が仕事中でも、子どもが学童に着いたことや、学童を出て家に向かったことを知ることができれば、安心して働くことができます。

LINE入退クラウドは、子どもがQRコードやICカードをかざすだけで、施設に着いた時刻と出た時刻を保護者のLINEに自動で通知する入退室管理システムで、学童や塾、習い事の教室で利用できます。

入退室の通知を導入している学童であれば、保護者が仕事中でも、子どもが学童に着いたことと帰路についたことをその場で確認できます。

学童を選ぶ際や入所の説明会では、子どもの到着や帰宅を保護者にどのように知らせているかを確認しておくと安心です。

このように、学童が小学校の外にある場合は、子どもが学校から学童まで移動する時間が生まれるため、移動の道のりを確認したうえで、子どもが学童に着いたことと学童を出たことを保護者が確認できる仕組みを知っておくことが大切です。

株式会社エクレ

2012年より学習塾を経営し、10年以上にわたり学習塾の経営・運営に携わる。他塾のコンサルティング・新規立ち上げ支援も手がけてきた。塾経営の現場で感じたコスト・利便性の課題を起点に、学習塾・スクール向け入退室管理システム「LINE入退クラウド」(2025年)「WebPush入退クラウド」(2026年)を開発・運営。Webサイト制作・SEO・デジタルマーケティング支援も行っている。