学童でいじめられたら?親ができる対応と相談先について
学童学童でいじめを受けているかもしれないと気づいたとき、親としてどこまで介入すべきか、誰に伝えればいいのか迷う場面があります。
子どもから話を聞いても内容がはっきりせず、相手の子どもや保護者との関係を考えると、動き方に慎重になることもあります。
一方で、放課後に毎日通う場所だからこそ、子どもが安心して過ごせる状態を早く取り戻したいという思いもあるものです。
学童でいじめられたときの対応、気づいたときにすること、改善しないときの相談先、加害側だった場合、休ませる・辞めるときの居場所まで順に確認していきます。
学童でいじめられたら?
学童でいじめられたら、まず子どもの気持ちを受け止めて事実を記録し、学童の職員に相談することが基本で、学童は国の運営指針で早期に対応することが求められており、改善しない場合は運営主体や市町村、同じ学校の子どもであれば学校にも相談できます。
学童は学校とは別の施設ですが、子どもの間でいじめが起きたときの対応については、国の指針や法律で考え方が示されています。
まずは、学童でのいじめがどのように扱われるのかを確認します。
学童でのいじめは運営指針で対応が定められている
放課後児童クラブ(学童)の運営については、国が「放課後児童クラブ運営指針」を定めています。
運営指針の育成支援の内容には、次のように書かれています。
「子どもの間でいじめ等の関係が生じないように配慮するとともに、万一そのような問題が起きた時には早期対応に努め、放課後児童支援員等が協力して適切に対応する。」
つまり、学童の職員には、いじめが起きないように配慮することと、起きたときには早く対応することが求められています。
また、運営指針では、保護者から相談があった場合には保護者の気持ちを受け止めて対応することや、子どもや保護者からの苦情に迅速かつ適切に対応することも定められています。
学童でのいじめについて職員に相談することは、学童の役割に沿った行動だといえます。
同じ学校の子どもからのいじめは学校にも伝えられる
いじめ防止対策推進法では、いじめを、学校に在籍する児童に対して、在籍する学校が同じなど一定の人的関係にある他の児童が行う行為で、対象となった児童が心身の苦痛を感じているものと定義しています。
この定義は、いじめが起きた場所を学校の中に限っていないため、学童で同じ学校の子どもから嫌なことをされている場合も、学校が関わるいじめとして扱われることがあります。
同じ法律の第23条では、保護者などが子どもからいじめの相談を受け、いじめの事実があると思われるときは、いじめを受けたと思われる子どもが在籍する学校への通報など、適切な措置をとるとされています。
学童での出来事であっても、相手が同じ学校の子どもであれば、学校の担任や管理職にも伝えることができます。
学童での人間関係に悩む子どもはいる
小学館の育児情報メディア「HugKum」のHugKum総研が2026年に保護者1,250人に行った調査では、学童に「行きたくない」と感じた理由として、「家で過ごしたい」の163人に次いで、「友達・人間関係」が136人で2番目に挙がっています。
学童は学年の違う子どもが同じ場所で長い時間を過ごすため、学校とは違う人間関係が生まれる場所でもあります。
子どもが急に学童を嫌がるようになった場合は、学童での人間関係に何か変化がないかを気にかけておくことが大切です。
このように、学童でいじめられたら、まず子どもの気持ちを受け止めて事実を記録し、学童の職員に相談することが基本で、学童は国の運営指針で早期に対応することが求められており、改善しない場合は運営主体や市町村、同じ学校の子どもであれば学校にも相談できます。
次は、学童でのいじめに気づいたときの対応を確認します。
学童でのいじめに気づいたときの対応
学童でのいじめに気づいたときは、子どもの話を否定せずに聞き、いつ・誰に・何をされたかを記録したうえで学童の職員に相談し、相手の家庭には直接連絡せずに学童を通して対応することが大切です。
いじめに気づいた直後は、親も気持ちが動揺しやすく、すぐに相手を問いただしたくなることがあります。
しかし、事実がはっきりしないまま動くと、かえって子どもが学童で過ごしにくくなることもあるため、順を追って対応します。
子どもの話を否定せずに聞く
子どもがいじめについて話してくれたときは、「話してくれてありがとう」と伝え、まずは最後まで話を聞きます。
「あなたにも悪いところがあったんじゃない」「気にしすぎだよ」といった言葉は、子どもが次から話さなくなるきっかけになることがあるため避けます。
子どもが話したがらない場合は、無理に聞き出そうとせず、話せるときに話していいことを伝えておきます。
あわせて、子どもに「どうしてほしいか」を聞いておくと、学童に相談するときに子どもの希望を伝えやすくなります。
いつ・誰に・何をされたかを記録する
子どもから聞いた内容は、その日のうちにメモに残しておきます。
記録しておくとよい内容は、次のとおりです。
- いつ(日付・時間帯)
- どこで(学童の室内、校庭、移動中など)
- 誰に(相手の子どもの名前や学年)
- 何をされたか、何を言われたか
- そのときに周りにいた子どもや職員
- けがや持ち物の破損がある場合は、その写真
記録があると、学童の職員に相談するときに状況を正確に伝えることができ、学童や学校、市町村に相談を広げる場合にも経緯を説明しやすくなります。
学童の職員に相談する
記録をもとに、学童の職員に相談します。
お迎えのときに立ち話で伝えるよりも、連絡帳で相談したい内容を伝えたうえで、面談や電話の時間を取ってもらうほうが、落ち着いて話すことができます。
相談するときは、記録した事実と、子どもがどうしてほしいと思っているかを伝え、学童でどのように見守ってもらえるか、今後どのように報告してもらえるかを確認します。
相談したあとも、子どもの様子や学童からの報告を記録しておくと、改善しているかどうかを判断しやすくなります。
相手の家庭に直接連絡しない
相手の子どもや保護者がわかっていても、直接連絡して問いただすことは避けます。
子どもの話だけでは事実と異なる部分がある可能性もあり、保護者同士で直接やりとりをすると、話がこじれて解決が難しくなることがあります。
学童の職員は双方の子どもの様子を見ているため、学童を通して対応してもらうことで、双方の話を確認したうえで対応を考えてもらうことができます。
このように、学童でのいじめに気づいたときは、子どもの話を否定せずに聞き、いつ・誰に・何をされたかを記録したうえで学童の職員に相談し、相手の家庭には直接連絡せずに学童を通して対応することが大切です。
次は、学童に相談しても改善しないときの相談先を確認します。
学童に相談しても改善しないときの相談先
学童に相談しても改善しないときは、学童の運営主体の苦情受付窓口、市町村の担当課、同じ学校の子どもであれば学校、さらに国の電話相談窓口と、段階を追って相談先を広げることができます。
学童の職員に相談しても状況が変わらない、対応に納得できないという場合は、学童の外にも相談先があります。
相談するときは、これまでの記録と、学童にいつ何を相談したかをまとめておきます。
運営主体の苦情受付窓口
運営指針では、学童の運営主体に対して、要望や苦情を受け付ける窓口を設置し、子どもや保護者に知らせることを求めています。
また、市町村と運営主体が連携して、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を置くことや、解決に向けた手順を整理しておくことも定められています。
入所のときに配られた案内や、学童の掲示物に苦情の受付窓口が書かれていることがあるため、確認してみます。
現場の職員とは別の立場の担当者や第三者委員に相談することで、学童全体の問題として対応してもらえることがあります。
市町村の担当課
こども家庭庁の令和7年の調査では、学童の運営形態は公立公営が22.4%、公立民営が52.2%で、公立の学童であれば市町村の子育て支援や児童福祉の担当課が相談先になります。
民間の学童であっても、放課後児童クラブとして市町村に届出をしている場合は、市町村の担当課に相談することができます。
運営指針でも、苦情への対応は市町村と運営主体が連携して行うこととされています。
学校
相手が同じ学校の子どもであれば、学校の担任や管理職にも相談します。
学童での出来事であっても、学校で同じ子どもとの関係が続いている場合は、学校での様子もあわせて見てもらうことができます。
運営指針では、学童は学校と日常的に情報交換をして連携することとされているため、学校と学童が情報を共有して対応にあたることもあります。
国の電話相談窓口
子ども本人や保護者が、学童や学校以外の場所に相談したいときは、国の電話相談窓口も利用できます。
| 窓口 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|
| 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省) | 0120-0-78310 | 24時間 |
| 子どもの人権110番(法務省) | 0120-007-110 | 平日8時30分〜17時15分 |
どちらもフリーダイヤルで、厚生労働省の案内では、IP電話からはつながらない場合があるとされています。
このように、学童に相談しても改善しないときは、学童の運営主体の苦情受付窓口、市町村の担当課、同じ学校の子どもであれば学校、さらに国の電話相談窓口と、段階を追って相談先を広げることができます。
次は、子どもがいじめをしている側だったときの対応を確認します。
子どもがいじめをしている側だったとき
子どもがいじめをしている側だったときは、学童の職員から事実を確認したうえで子どもと話し合い、相手の子どもの気持ちを考えさせるとともに、学童と連携して謝罪や今後の関わり方を考えることが大切です。
学童から、自分の子どもが他の子どもに嫌なことをしていると連絡を受けることもあります。
いじめ防止対策推進法では、保護者は子どもがいじめを行うことのないよう、規範意識を養うための指導などに努めることとされています。
事実を確認して子どもと話す
学童から連絡を受けたら、まず職員から、いつ、どこで、どのようなことがあったのかを詳しく聞きます。
そのうえで、子どもにも話を聞き、なぜそのようなことをしたのか、相手がどう感じたと思うかを一緒に考えます。
頭ごなしに叱るだけでは、子どもが本当の理由を話せなくなることがあるため、子どもの言い分も聞いたうえで、してはいけないことをはっきり伝えます。
学童での人間関係や、学校や家庭でのストレスが行動に影響している場合もあるため、子どもの様子全体を見ることも大切です。
学童の職員と連携して相手に謝罪する
相手の子どもや保護者への謝罪は、学童の職員と相談したうえで行います。
学童を通して相手の保護者の意向を確認してもらい、謝罪の方法や場を設けてもらうことで、保護者同士の話がこじれることを防ぎやすくなります。
謝罪のあとも、学童の職員に子どもの様子を見てもらい、同じことが起きていないかを確認していきます。
このように、子どもがいじめをしている側だったときは、学童の職員から事実を確認したうえで子どもと話し合い、相手の子どもの気持ちを考えさせるとともに、学童と連携して謝罪や今後の関わり方を考えることが大切です。
次は、学童を休ませる・辞めるときの放課後の居場所を確認します。
学童を休ませる・辞めるときの放課後の居場所
学童を休ませる・辞めるときは、子どもの心身の状態と学童の対応を見て判断し、自宅や祖父母の家、習い事などで放課後の居場所を確保したうえで、子どもが着いたことと帰ったことを保護者が確認できる仕組みを用意しておくことが大切です。
いじめが続いている場合や、子どもが強く行きたがらない場合は、学童を休ませることや辞めることも選択肢になります。
ただし、学童を離れると放課後の過ごし方が大きく変わるため、居場所と見守りの方法を考えておく必要があります。
休ませる・辞めるかの判断
次のような場合は、学童を休ませることや辞めることを考えます。
- 腹痛や頭痛、眠れないなど、体調に影響が出ている
- 学童に相談しても、いじめが続いている
- 子どもが学童に行くことを強く拒んでいる
一度辞めると、定員の関係で再び入所できない場合もあるため、休会の制度があるか、利用する日数を減らせるかも、学童や市町村に確認しておきます。
学童を辞める場合も、いじめについての相談は、学校や市町村に続けることができます。
到着と帰宅を確認する仕組み
学童を休ませたり辞めたりすると、放課後は自宅での留守番や祖父母の家、習い事などで過ごすことになり、子どもが一人で移動する場面が増えます。
自宅で留守番をする場合は、鍵の管理や来客への対応、帰宅したら保護者に連絡するといったルールを子どもと決めておきます。
習い事に通う場合は、子どもが教室に着いたかどうかを保護者が仕事中に確認できるかも大切な点です。
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このように、学童を休ませる・辞めるときは、子どもの心身の状態と学童の対応を見て判断し、自宅や祖父母の家、習い事などで放課後の居場所を確保したうえで、子どもが着いたことと帰ったことを保護者が確認できる仕組みを用意しておくことが大切です。

