学童での入退室管理は、こどもの安全を守り保護者に安心を提供するために欠かせません。
低学年のこどもが多く、学校終わりの来所時刻や帰宅時間も家庭ごとに異なるため、誰がいつ来ていつ帰ったのかを正確に把握する必要があります。
しかし記録漏れや確認ミスが起こりやすく、保護者への連絡も遅れがちという課題があります。
入退室管理の方法を見直すことで、保護者への確実な情報提供とスタッフの業務負担軽減が期待できます。
本記事では、学童保育における入退室管理の重要性とシステム選定のポイントについて、スクール運営の経験をもとに解説します。
学童での入退室管理の重要性とは?
学童での入退室管理は、低学年児童の不規則な来所・帰宅時間を確実に伝え保護者に安心してもらうために重要です。
まず、学童保育には低学年のこどもが中心に通っています。小学1年生から3年生くらいまでのこどもは、自分で時刻を正確に記録したり報告したりすることが難しい場合も多く、スタッフ側でしっかり管理する必要があります。
次に、学校終わりの来所時刻がバラバラという特徴があります。学年や曜日によって下校時刻が異なるため、こどもたちが一斉に来るわけではありません。午後2時に来る子もいれば、午後4時に来る子もいるという状況で、誰が来て誰がまだ来ていないのかを把握するのは簡単ではありません。
さらに、帰宅時間も家庭ごとに不規則です。習い事に行く子は早めに帰り、保護者の迎えを待つ子は遅くまで残ります。このように入退室のタイミングがバラバラだからこそ、一人ひとりの動きを正確に記録することが求められます。
保護者の就労時間中は連絡がつきにくい場合もあるため、入退室の情報をリアルタイムで自動的に届けられる仕組みが理想的です。
このように、学童特有では、低学年児童であるので、不規則な来所・帰宅時間を確実に保護者に伝えて安心してもらう必要があります。
では、学童向けの入退室管理システムにはどのようなものがあるのでしょうか。
学童向け入退室管理システムの種類と特徴
学童向け入退室管理システムには、メール通知、LINE通知、専用アプリの3種類があり、それぞれ保護者の使いやすさとコストが異なります。
メール通知
メール通知は、こどもの入退室時に保護者のメールアドレスへ通知を送る方式です。保護者側で新しいアプリをインストールする必要がなく、導入のハードルは低めです。ただし、メールは開封率が低く、リアルタイムで確認されない可能性があります。特に若い世代の保護者はメールをあまりチェックしない傾向があるため、通知の見逃しが増えるリスクがあります。
LINE通知
LINE通知は、保護者が普段使っているLINEアプリへ入退室通知を送る方式です。新しいアプリのインストールが不要で、LINEの通知機能により開封率も高いのが特徴です。保護者にとって使い慣れたアプリで通知を受け取れるため、導入時の抵抗感が少なく、確実に情報が届きます。
専用アプリ
専用アプリは、学童専用の通知アプリを保護者にインストールしてもらう方式です。アプリ内で入退室履歴の確認や他の機能も使える場合がありますが、保護者に新しいアプリのダウンロードと初期設定をお願いする手間が発生します。アプリのインストールや操作に抵抗を感じる保護者もいるため、全員に使ってもらうまでのハードルが高くなりがちです。
通知方法の違いによって保護者の利便性や導入の手間が大きく変わるため、学童の状況に合わせて選ぶことが重要です。
次に、システム選定で重視すべきポイントについて見ていきましょう。
学童入退室管理システム選定のポイント
学童の入退室管理システムを選ぶ際は、運営形態に応じた予算内で導入できる安価なシステムを選ぶことが最も重要です。
学童保育の運営形態には、公設公営、公設民営、民設民営の3種類があります。公設公営は自治体が設置・運営し、公設民営は自治体が設置してNPO法人などに運営を委託、民設民営は民間が設置・運営する形態です。
近年は自治体の財政難から公設民営の形態が増加しています。どの形態でも共通しているのは、保護者からの利用料が主な収入源であるという点です。月額5,000円から10,000円程度の利用料で運営されており、人件費が運営費の大部分を占めるため、大きなコストをシステムにかけることは難しいのが実態です。
そのため、初期費用や月額費用を抑えたシステムを選ぶことが現実的な選択となります。例えばLINE通知のシステムを導入したい場合には、LINE入退クラウドのような低価格(月額1,650円~)で導入できるシステムがおすすめです。
学童の運営実態を考えると、必要な機能を備えながらも安価なシステムを選ぶことが、持続可能な運営につながります。
では、実際に導入する際にはどのような点に注意すべきでしょうか。
学童での入退室管理システム導入時の注意点
学童に入退室管理システムを導入する際は、保護者への事前説明、こどもへの使い方指導、スタッフ間の運用ルール共有が重要です。
まず、保護者へのシステム説明が重要です。LINEで通知を受け取る場合は、公式アカウントの友だち追加方法を丁寧に案内する必要があります。わかりやすい案内文を配布するなど、保護者全員が確実に登録できるようサポートしましょう。
次に、低学年児童への使い方の丁寧な指導が必要です。QRコードの読み取り方を実際にやって見せながら教え、何度か練習させることで、こどもたちが迷わず使えるようになります。
忘れ物や読み取りエラー時の対応フローも事前に整備しておきましょう。カードを忘れた子やQRコードがうまく読み取れない時にどう対応するか、スタッフ全員が共通認識を持っておくことが大切です。
スタッフ間での操作方法と対応手順の共有も欠かせません。誰が対応しても同じように運用できる体制を作ることで、混乱を防げます。
学童での入退室管理システムは、これらの準備をしっかり行うことで、こどもの安全確保と保護者の安心、スタッフの業務効率化を同時に実現できます。
最後に、保護者の安心を高めるポイントについて確認しましょう。
学童入退室管理で保護者の安心を高めるポイント
学童の入退室管理では、リアルタイム通知と顔写真付き通知が保護者の安心感を大きく高めます。
入退室直後にリアルタイムでLINE通知が届くことで、保護者は仕事中でもこどもの状況を把握できます。学童に無事到着したことがわかれば、安心して仕事に集中できるでしょう。
さらに顔写真付き通知なら、こどもの様子を視覚的に確認できるため、より安心感が増します。元気な顔を見られることで、保護者の不安は大きく軽減されます。
複数のこどもを学童に通わせている保護者でも、個別に通知が届くため、それぞれのこどもの入退室を確実に把握できます。
学童の入退室管理システムは、保護者が安心して働ける環境づくりに大きく貢献します。

  
  
  
  
