塾経営が儲からないのはなぜ?原因と収益改善の具体策について

経営

塾経営をしているが思うように収益が上がらない、何を改善すれば儲かるようになるかわからないという経営者の方は多いです。

うまくいかない本当の原因は、固定費・生徒数の変動・価格競争という構造的な問題にあるため、構造を理解した上で対策を取ることが収益改善の前提になります。

「もっと頑張れば改善する」という方向で動き続けると、努力の方向が間違っていた場合に消耗するだけで状況は変わりません。

この記事では、塾経営が儲からない5つの具体的な理由・売上を増やす方法・コストを下げる方法・最初に取り組むべきことまで解説します。

塾経営が儲からないのはなぜ?

塾経営が儲からない本質的な原因は、固定費の高さ・生徒数の不安定さ・価格競争に巻き込まれやすい構造という3つにあり、この構造を正しく理解することが収益改善の第一歩です。

「教育ビジネスは安定している」というイメージを持っている人は多いですが、実態はまったく異なります。

塾は生徒一人ひとりに講師をつけたり授業を提供したりする労働集約型のビジネスであるため、人件費が売上の40〜60%を占めることが多いです。

さらに家賃・光熱費・システム費用などの固定費が加わると、売上に対するコストの割合が非常に高くなります。

生徒数の変動も大きく、受験が終わる3月には中3・高3が一斉に退塾し、閑散期に生徒が減るという季節変動が毎年起きます。

この変動に固定費の支払いが重なるため、年間を通じて安定した収益を出すことが構造的に難しいビジネスです。

差別化できていない塾は、ブランドや実績で大手に劣る分を価格で補おうとするため、月謝を下げた結果として利益率が下がるという悪循環に陥ります。

このように、塾経営が儲からない本質的な原因は、固定費の高さ・生徒数の不安定さ・価格競争という3つの構造的な問題で、この構造を正しく理解することが収益改善の第一歩です。

次は、儲からない5つの具体的な理由を確認します。

塾経営が儲からない5つの具体的な理由

塾経営が儲からない理由は、損益分岐点の未達・月謝設定の低さ・固定費の肥大・退塾率の高さ・集客不足という5つに集約され、自塾がどれに当てはまるかを数字で確認することが改善の起点です。

複数の理由が同時に重なっているケースがほとんどのため、一つを改善しても他の問題が残ると収益が改善しないことがあります。

理由1:損益分岐点の生徒数に達していない

最も根本的な問題が、損益分岐点となる生徒数に達していないことです。

月の固定費が50万円で、生徒1名あたりの粗利が1万5,000円なら損益分岐点は約34名です。

34名を下回れば赤字・上回れば黒字という計算ですが、この損益分岐点を把握していない経営者は実は多いです。

まず自塾の損益分岐点を正確に計算し、それを超える生徒数を目標とすることが収益改善の最優先事項です。

理由2:月謝設定が低すぎる

競合に対抗して安易に値下げした結果、多くの生徒を抱えても利益が出ない「薄利多売」の状態になっているケースがあります。

月謝2万円を1万5,000円に下げると、同じ収入を得るために必要な生徒数が33%増えます。

生徒数が増えると講師も増やす必要があり、人件費が膨らんでさらに利益が出にくくなるという悪循環に陥ります。

競合との価格比較で「うちの方が安い」という状態は、選ばれる理由を価格だけに依存しているということであり、最も不安定な経営状態です。

理由3:固定費が売上に対して高すぎる

家賃・人件費・光熱費・システム費用などの固定費が売上に対して高すぎる場合、生徒数がある程度いても利益が残りません。

家賃が売上の20%を超えている・人件費率が55%以上になっているという状態は、固定費の肥大が収益を圧迫しています。

固定費は生徒数に関係なく毎月発生するため、少しでも見直すだけで継続的な改善効果が出るという特徴があり、経営が苦しい時期こそ最初に手をつけるべき項目です。

理由4:退塾率が高い

新規生徒が入っても同じペースで退塾が続いていると、集客コストだけがかさみ生徒数が増えません。

退塾率が月3%を超えている場合、年間で在籍生徒の約30%以上が入れ替わるという計算になり、集客コストが恒常的に高い状態になります。

月謝2万円の生徒が1名退塾しないだけで年間24万円の収益差になります。

新規生徒1名を獲得するためのコスト(チラシ・体験授業の工数・面談時間)と比べると、退塾を防ぐ方が費用対効果が高いことがほとんどです。

集客を強化する前に、退塾率を改善することの方が費用対効果が高い場合がほとんどです。

理由5:集客できていない

損益分岐点に達しない最大の原因が、そもそも問い合わせが来ていないという集客力の不足です。

Googleビジネスプロフィールを整備していない・ホームページが検索に引っかからない・チラシを適切な時期に配布していないという状態では、地域の保護者に存在を知ってもらえません。

塾は保護者が近隣で検索して選ぶビジネスであるため、Googleビジネスプロフィールと口コミは最も重要な集客チャネルです。

Googleビジネスプロフィールが整備されておらず口コミがゼロの状態では、どれだけ質の高い指導をしていても検索した保護者に見つけてもらえません。

このように、塾経営が儲からない理由は損益分岐点の未達・月謝設定・固定費・退塾率・集客という5つで、自塾がどれに当てはまるかを数字で確認することが改善の起点です。

次は、売上を増やすための具体的な方法を確認します。

収益改善の具体策:売上を増やす

塾経営の売上を増やすには、月謝の適正化・損益分岐点を超える生徒数の確保・オプション収入の充実という3つを組み合わせることが最も効果的です。

「生徒を増やすこと」だけが売上を増やす方法ではなく、月謝単価を上げることでも同等の効果が出ることを理解することが重要です。

月謝の適正化

現在の月謝が周辺の競合塾と比べて低すぎる場合、値上げが最も即効性のある収益改善策です。

月謝を2,000円値上げして生徒50名の場合、月10万円・年間120万円の増収になります。

値上げ後に5名退塾しても、45名×2,000円増で月9万円の増収が維持できます。

値上げを実施する際は、3〜6ヶ月前に書面で通知し、理由を具体的な数字で説明することが保護者の理解を得るポイントです。

価格で選んでいる保護者は価格が上がれば移る層であり、質で選んでいる保護者は多少の値上げで移りません。

事前に「何名まで退塾が出れば収益がプラスになるか」を計算してから実施することで、冷静な判断ができます。

損益分岐点を超える生徒数の確保

集客として最も費用対効果が高いのは、Googleビジネスプロフィールの整備と口コミの蓄積です。

「〇〇市 学習塾」という検索で上位に表示されることで、広告費をかけずに継続的な問い合わせが来る状態を作れます。

チラシは新学期前の2〜3月と8〜9月に集中させることで、保護者が塾を探すタイミングに合わせた集客ができます。

在籍生徒からの紹介キャンペーンも有効で、紹介者・被紹介者の双方に1ヶ月分の月謝割引などの特典を設けることで、紹介が継続的に発生する仕組みができます。

オプション収入の充実

夏期講習・冬期講習・テスト対策講座・模試・教材費などのオプション収入を充実させることで、1生徒あたりの年間売上を増やせます。

夏期講習・冬期講習で通常月謝の1.5〜2倍の費用を設定できれば、年間の売上が15〜20%増加するケースがあります。

このように、塾経営の売上を増やすには月謝の適正化・生徒数の確保・オプション収入の充実という3つをバランスよく組み合わせることが最も効果的です。

次は、コストを下げるための具体的な方法を確認します。

収益改善の具体策:コストを下げる

塾経営のコスト削減は、影響の大きい人件費・家賃・システム費用の順に優先して見直すことが、最も効率よく利益率を改善する方法です。

コスト削減は一度行えば継続的に効果が出るため、まとめて見直す時間を取ることが重要です。

人件費の適正化

人件費率が50%を超えている場合は、シフトの見直しが最優先です。

授業が入っていない時間帯に講師の人件費が発生していないかを確認し、閑散期のシフトを調整するだけで人件費を5〜10%改善できるケースがあります。

繁忙期と閑散期でシフトを季節連動させる仕組みを作ることが、人件費を適正水準に保つ基本です。

家賃の交渉と見直し

家賃比率が15%を超えている場合は、契約更新のタイミングで交渉することが有効です。

近隣の同等物件との家賃比較を材料に交渉することで、月1〜3万円の削減が実現するケースがあります。

年間12〜36万円の削減は、月謝2万円の生徒0.5〜1.5名分の売上に相当します。

システム費用の見直し

入退室管理システムを従量課金型から定額制に切り替えることで、生徒数が増えても費用が増えない収益構造が作れます。

従量課金型のシステムは基本料金3,300円に加えて生徒1名あたり月55円が加算されるため、生徒100名では月5,500円・200名では月11,000円になります。

入退くん・LINE入退クラウドどちらもMessaging APIを使うためLINE通知には月200通超で5,500円のAPI費用が別途かかる点は同じ条件ですが、システム料金はLINE入退クラウドが30名まで月額1,650円・500名まで3,300円の定額制です。

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このように、塾経営のコスト削減は人件費・家賃・システム費用の順に優先して見直すことが、最も効率よく着実に利益率を改善する方法です。

次は、儲かる塾に変わるために最初にやることを確認します。

儲かる塾に変わるために最初にやること

儲かる塾に変わるための第一歩は、感覚ではなく数字で現状を把握することで、売上・人件費率・家賃比率・退塾率の4項目を毎月記録する習慣を作ることが基本です。

「なんとなく儲かっていない」という感覚ではなく、「人件費率が55%で適正水準を5ポイント超えている」という数字レベルで問題を特定することで、対策の優先順位が明確になります。

現状把握の手順

まず月の売上・人件費・家賃・その他経費の4項目を書き出します。

次に各経費率(経費÷売上)を計算し、適正水準(人件費40〜50%・家賃10〜15%)と比較します。

損益分岐点の生徒数(月の固定費の合計÷生徒1名あたりの粗利)を計算し、現在の生徒数がどの位置にあるかを把握します。

退塾率(月の退塾者数÷月初の在籍者数×100)を計算し、月3%を超えていれば退塾対策が最優先です。

エクセルに毎月記録するだけでも、数ヶ月後には経費率の変化が可視化され、「先月より人件費率が3ポイント上がっている」という具体的な問題把握ができるようになります。

こうした数字の管理習慣を持っている塾と持っていない塾では、同じ状況に置かれたときの対応の速さが大きく変わります。

「感覚でなんとなくわかっている」という状態と「数字で正確に把握している」という状態では、経営判断の精度がまったく異なります。

優先順位の付け方

改善項目が複数ある場合は、影響額が最も大きいものから着手します。

退塾率が月3%超えているなら退塾対策が最優先、人件費率が55%超えているなら人件費の適正化が最優先です。

集客強化は、退塾率が適正水準(月2%以下)になってから取り組むことで初めて効果が出ます。

退塾が多い状態で集客を強化しても、入ってくる生徒と出ていく生徒が同じペースでは生徒数は増えません。

まず「漏れているバケツ」を塞いでから、水を注ぐ(集客を強化する)という順番が、最も効率よく生徒数を増やす方法です。

このように、儲かる塾に変わるための第一歩は、売上・人件費率・家賃比率・退塾率の4項目を毎月数字で確認する習慣を作ることが基本です。

株式会社エクレ

2012年より学習塾を経営し、10年以上にわたり学習塾の経営・運営に携わる。他塾のコンサルティング・新規立ち上げ支援も手がけてきた。塾経営の現場で感じたコスト・利便性の課題を起点に、学習塾・スクール向け入退室管理システム「LINE入退クラウド」(2025年)「WebPush入退クラウド」(2026年)を開発・運営。Webサイト制作・SEO・デジタルマーケティング支援も行っている。