塾閉鎖のお知らせ文例と手順!保護者への伝え方と返金対応まで解説

経営

塾の閉鎖を検討していて、保護者へのお知らせをどう伝えれば良いか悩んでいる方は多いでしょう。

本当に閉鎖しかないのか、他に選択肢はないのか、判断に迷っている。

閉鎖すると決めた場合、いつ、どのように伝えるべきか、返金はどう対応すれば良いのか、わからない。

そんな不安を抱えていませんか。 本記事では、10年間学習塾を運営してきた経験から、閉鎖前に検討すべき選択肢、塾閉鎖のお知らせの文例、伝えるタイミング、返金対応、他塾への引き継ぎまで詳しく解説します。

塾閉鎖のお知らせは、保護者との信頼関係を最後まで保つために、丁寧で誠実な対応が求められます。

本当に閉鎖しかない?

塾閉鎖を決断する前に、他の選択肢も検討する価値があります。

閉鎖は最終手段です。まだ打てる手があるのに、早まって閉鎖してしまうのはもったいないことです。特に、事業譲渡や経営コンサルタントの活用は、塾を存続させる有効な選択肢になります。

それぞれの選択肢について見ていきましょう。

事業譲渡という選択肢

塾の事業を他の経営者に譲渡することで、塾を存続させられます。

事業譲渡とは、塾の運営権、生徒、講師、教室の賃貸契約などを一括して他の経営者に引き継ぐことです。あなたは塾経営から退きますが、生徒は引き続き同じ場所で学習でき、講師の雇用も守られます。

事業譲渡のメリットは、生徒や講師に迷惑をかけずに済むことです。閉鎖すると、生徒は転塾先を探す必要があり、講師は職を失います。事業譲渡なら、これらの問題を避けられます。

また、譲渡価格によっては、ある程度の資金を得られます。赤字経営でも、生徒数がある程度いれば、譲渡先は見つかる可能性があります。特に、大手塾チェーンや個人で塾経営を始めたい人にとって、既に生徒がいる塾は魅力的です。

事業譲渡を検討する場合、塾専門のM&A仲介業者に相談するのが効率的です。仲介業者は、買い手を探し、価格交渉、契約書作成まで支援してくれます。

ただし、事業譲渡には時間がかかります。買い手を見つけるまでに数ヶ月かかることもあるため、早めに動き始める必要があります。

事業譲渡という選択肢を検討することで、塾を存続させられる可能性があります。

次に、経営コンサルタントの活用も見ていきましょう。

経営コンサルタントで立て直す

経営状況の悪化が理由で閉鎖を考えている場合、経営コンサルタントに相談することで立て直せる可能性があります。

塾経営専門のコンサルタントは、生徒募集、経費削減、授業の質向上など、塾経営のあらゆる面でアドバイスをしてくれます。自分では気づかなかった問題点を指摘してもらえることも多く、具体的な改善策を提案してくれます。

例えば、生徒募集がうまくいっていない場合、コンサルタントは集客方法の見直しを提案します。チラシのデザイン変更、ホームページの改善、無料体験授業の実施方法など、具体的な施策を示してくれます。

また、経費削減についても専門的なアドバイスが得られます。家賃交渉、教材費の見直し、光熱費の削減など、すぐに実行できる具体策を教えてもらえます。

コンサルタント費用は決して安くありませんが、閉鎖するよりは遥かに低コストです。また、一度立て直せば、その後は自力で運営を続けられます。

ただし、コンサルタントに依頼しても、すぐに結果が出るわけではありません。最低でも3〜6ヶ月は改善に時間がかかると考えておく必要があります。

経営コンサルタントの活用で、塾を立て直せる可能性があります。

これらの選択肢を検討したうえで、それでも閉鎖が最善と判断した場合、以下の手順で進めます。

塾閉鎖を決めたらすぐにやるべきこと

塾閉鎖を決断したら、すぐに取り組むべきことが3つあります。

1つ目は閉鎖時期の決定です。いつをもって閉鎖するのかを明確にし、そこから逆算してスケジュールを組みます。2つ目は保護者への通知タイミングです。閉鎖の1〜2ヶ月前には保護者に伝える必要があります。3つ目は講師への説明です。保護者に伝える前に、まず講師に状況を説明し、理解を得ておくことが重要です。

これらを計画的に進めることで、トラブルを最小限に抑えられます。

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

閉鎖時期の決定

塾閉鎖を決めたら、まず閉鎖時期を明確に決めます。

閉鎖時期を決める際は、生徒への影響を最小限にすることを考えます。学期の途中で閉鎖すると、生徒は他塾への転塾がスムーズにできず、学習に支障が出ます。できれば学期末、理想的には年度末に合わせて閉鎖するのが望ましいです。

ただし、経営状況によっては、すぐに閉鎖せざるを得ない場合もあります。その場合は、最低でも1ヶ月後を閉鎖日として設定し、保護者が次の塾を探す時間を確保します。

閉鎖時期が決まったら、そこから逆算して行動計画を立てます。閉鎖の2ヶ月前には保護者に通知、1ヶ月前には引き継ぎ先の塾の情報提供、閉鎖当日は最後の授業と挨拶、といったスケジュールを組みます。

また、賃貸物件の場合、退去通知の期限も確認します。多くの賃貸契約では、退去の1〜3ヶ月前に通知が必要です。退去通知が遅れると、余分な家賃が発生するため注意が必要です。

閉鎖時期を明確に決めることで、その後の手続きがスムーズに進みます。

次に、保護者への通知タイミングを見ていきましょう。

保護者への通知タイミング

保護者への通知は、閉鎖の1〜2ヶ月前に行うのが適切です。

通知が早すぎると、すぐに退塾する保護者が増え、閉鎖前に収入が途絶えてしまいます。逆に、通知が遅すぎると、保護者が次の塾を探す時間がなく、大きな不満につながります。1〜2ヶ月前であれば、保護者が落ち着いて次の塾を探せる時間を確保でき、かつ運営側も最後まで授業を続けられます。

通知方法は、書面とLINE(またはメール)の両方で行います。書面は正式な通知として、LINEは迅速な情報伝達として使い分けます。書面を郵送した後、「本日、閉鎖のお知らせを郵送しました。ご確認ください」とLINEで連絡すると、保護者が確実に気づきます。

また、通知と同時に保護者説明会の日程も案内します。書面やLINEだけでは伝わりにくい部分もあるため、直接説明する機会を設けることで、保護者の理解を得やすくなります。

通知のタイミングは、月謝の引き落とし日も考慮します。引き落とし後に通知すると、「返金はどうなるのか」という問い合わせが殺到します。引き落とし前に通知し、「今月分の月謝は引き落としません」または「引き落とし後、すぐに返金します」と明記すると、トラブルを防げます。

保護者への通知タイミングを適切に設定することで、混乱を最小限に抑えられます。

さらに、講師への説明も重要です。

講師への説明

保護者に通知する前に、必ず講師に状況を説明します。

講師が保護者からの質問に答えられないと、混乱が広がります。また、保護者から先に情報を聞いた講師が「聞いてない」と不信感を持つと、最後まで協力してもらえなくなります。

講師への説明は、保護者への通知の数日前に行います。全講師を集めてミーティングを開き、閉鎖の理由、閉鎖時期、今後のスケジュールを説明します。

閉鎖の理由は正直に伝えます。「経営状況の悪化」「健康上の理由」「家庭の事情」など、具体的な理由を話すことで、講師の理解を得られます。曖昧な説明では、講師が不安になり、すぐに辞めてしまう可能性があります。

また、講師の給与や退職金についても明確に伝えます。「最終勤務日まできちんと給与を支払います」「退職金は〇月〇日に支払います」など、具体的な日程と金額を示すことで、講師は安心して最後まで働けます。

さらに、保護者からの質問への対応方法も共有します。「閉鎖の理由を聞かれたら、こう答えてください」「返金については、塾長から説明するので、そちらに誘導してください」など、想定される質問と回答を用意しておきます。

講師への丁寧な説明が、最後まで円滑な運営を支えます。

塾閉鎖を決めたらすぐにやるべきことを確認したら、次は具体的なお知らせ文例を見ていきましょう。

塾閉鎖のお知らせ文例

塾閉鎖のお知らせは、書面、LINE、保護者説明会の3つの方法で伝えます。

書面は正式な通知として必須です。後からトラブルになったときに、「書面で通知した」という証拠が残ります。LINEは迅速な情報伝達に適しており、保護者がすぐに確認できます。保護者説明会は、直接説明することで、保護者の不安を解消し、質問に答える機会になります。

それぞれの文例を紹介します。

書面での通知文例

書面での通知は、正式で丁寧な文面にします。

以下は、書面での通知文例です。


保護者各位

塾閉鎖のお知らせ

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、突然のお知らせとなり誠に申し訳ございませんが、諸般の事情により、令和〇年〇月〇日をもちまして、当塾を閉鎖させていただくことになりました。

これまで当塾を信頼してお子様を預けてくださった保護者の皆様には、深くお詫び申し上げます。

つきましては、下記の通りご案内申し上げます。

  1. 閉鎖日:令和〇年〇月〇日(〇曜日)
  2. 最終授業日:令和〇年〇月〇日(〇曜日)
  3. 月謝について:〇月分の月謝は日割り計算し、〇月〇日までに返金いたします。
  4. 保護者説明会:令和〇年〇月〇日(〇曜日)午後〇時より、教室にて開催いたします。
  5. お問い合わせ:ご不明な点がございましたら、下記までご連絡ください。

今後の進路につきましては、ご希望があれば近隣の塾をご紹介いたします。また、これまでの学習記録や成績データをお渡しすることも可能です。

長い間、当塾をご利用いただき、誠にありがとうございました。お子様の今後の学習が実り多きものとなりますよう、心よりお祈り申し上げます。

敬具

令和〇年〇月〇日 〇〇塾 塾長 〇〇〇〇 連絡先:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇


この文例のポイントは、閉鎖の事実を明確に伝え、具体的な日程と対応を示すことです。また、感謝の気持ちを忘れずに記載します。

次に、LINEでの通知文例を見ていきましょう。

LINEでの通知文例

LINEでの通知は、簡潔でわかりやすい文面にします。

以下は、LINEでの通知文例です。


【重要なお知らせ】

保護者の皆様

いつもお世話になっております。〇〇塾です。

本日、重要なお知らせを郵送いたしましたので、必ずご確認ください。

突然のお知らせとなり大変申し訳ございませんが、諸般の事情により、〇月〇日をもちまして当塾を閉鎖することになりました。

詳細は郵送した書面をご確認いただき、ご不明な点がございましたらお気軽にご連絡ください。

また、〇月〇日(〇曜日)午後〇時より、保護者説明会を開催いたします。ご参加いただけますと幸いです。

これまで当塾を信頼してお子様を預けてくださり、誠にありがとうございました。

〇〇塾 塾長 〇〇〇〇


LINEでは、書面を郵送したことを伝え、詳細は書面で確認してもらうように誘導します。また、保護者説明会の日程も簡潔に案内します。

さらに、保護者説明会での説明も準備しておきましょう。

保護者説明会での説明例

保護者説明会では、閉鎖の理由を誠実に説明し、保護者の不安を解消します。

以下は、保護者説明会での説明例です。


本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。

突然のお知らせとなり、保護者の皆様には大変ご心配とご迷惑をおかけしております。改めて深くお詫び申し上げます。

当塾は〇月〇日をもちまして閉鎖することになりました。理由は〇〇〇〇です(経営状況の悪化、健康上の理由など、具体的に説明)。

これまで皆様に支えられて運営してまいりましたが、このような結果となり、誠に申し訳ございません。

今後の対応についてご説明いたします。

まず、月謝についてですが、〇月分は日割り計算し、〇月〇日までに指定の口座に返金いたします。計算方法は〇〇です(具体的な計算式を示す)。

次に、お子様の今後の学習についてですが、ご希望があれば近隣の塾をご紹介いたします。また、これまでの成績データや学習記録をお渡しすることも可能です。

最後に、教材や備品についてですが、お子様が使用していたテキストやプリントはお持ち帰りいただけます。

ご質問やご不明な点がございましたら、遠慮なくお尋ねください。

本日はお忙しい中、ありがとうございました。


説明会では、一方的に話すだけでなく、質疑応答の時間を十分に設けます。保護者の不安や疑問に真摯に答えることで、最後まで信頼関係を保てます。

お知らせ文例を確認したら、次は返金や引き継ぎの具体的な対応を見ていきましょう。

返金・引き継ぎ対応

塾閉鎖に伴い、返金対応と他塾への引き継ぎは非常に重要です。

返金対応が遅れたり、金額が不明瞭だったりすると、大きなトラブルになります。また、他塾への引き継ぎをスムーズに行うことで、生徒の学習が途切れず、保護者の安心感も高まります。

具体的な対応方法を見ていきましょう。

月謝の日割り計算と返金

月謝の返金は、日割り計算で行います。

例えば、月謝が20,000円で、月の途中の15日で閉鎖する場合、月を30日として計算すると、1日あたり約667円です。残り15日分として、約10,000円を返金します。

計算式を明確にし、保護者に説明することで、納得してもらえます。「月謝20,000円÷30日×残り15日=10,000円を返金いたします」と具体的に示します。

返金方法は、銀行振込が確実です。保護者に振込先の口座情報を提出してもらい、指定の口座に振り込みます。現金での返金は、受け取った・受け取っていないのトラブルになりやすいため、避けた方が無難です。

返金のタイミングは、閉鎖後1週間以内が理想です。遅れると、保護者から「いつ返金されるのか」という問い合わせが増えます。事前に「〇月〇日までに返金します」と明確に伝えておけば、トラブルを防げます。

また、入会金や教材費についても確認します。入会金は基本的に返金不要ですが、教材費で未使用のテキストがある場合は、返金を検討します。保護者と丁寧に話し合い、納得してもらうことが重要です。

月謝の返金を迅速かつ正確に行うことで、最後まで信頼を保てます。

次に、他塾への引き継ぎについても見ていきましょう。

他塾への引き継ぎ

他塾への引き継ぎをスムーズに行うことで、生徒の学習が途切れず、保護者も安心できます。

まず、近隣の塾をリストアップし、保護者に情報提供します。「当塾の閉鎖に伴い、近隣の塾をご紹介いたします」として、塾名、連絡先、特徴、料金などをまとめた資料を作成します。

また、可能であれば、近隣の塾に事前に連絡し、「当塾が閉鎖するため、生徒が転塾するかもしれません」と伝えておきます。受け入れ態勢を整えてもらうことで、生徒の転塾がスムーズになります。

さらに、生徒の学習記録や成績データを整理し、転塾先の塾に引き継げるようにします。保護者の同意を得たうえで、「〇〇君はこの単元が得意で、この単元が苦手です」といった情報を転塾先に伝えることで、新しい塾での指導がスムーズに始まります。

ただし、個人情報の取り扱いには注意が必要です。保護者の同意なく、勝手に他塾に情報を渡すことはできません。必ず保護者に確認し、「転塾先の塾に学習記録を渡しても良いですか?」と許可を得ます。

また、転塾先の塾から紹介料を求められることもありますが、これは断った方が無難です。紹介料をもらうと、「儲けのために紹介したのか」と保護者から不信感を持たれる可能性があります。

他塾への引き継ぎを丁寧に行うことで、生徒と保護者の不安を軽減できます。

最後に、トラブルを防ぐポイントを確認しましょう。

トラブルを防ぐポイント

塾閉鎖に伴うトラブルを防ぐためのポイントは、透明性と誠実さです。

まず、閉鎖の理由を正直に伝えます。曖昧な説明や嘘をつくと、後から「実は違う理由だった」と発覚したときに、大きな不信感につながります。経営状況の悪化、健康上の理由、家庭の事情など、具体的に説明することで、保護者の理解を得られます。

次に、すべての情報を文書で残します。口頭での説明だけでは、「言った・言わない」のトラブルになります。閉鎖のお知らせ、返金の計算方法、保護者説明会の議事録など、すべて文書で記録し、保護者に配布します。

また、保護者からの質問には迅速に対応します。質問を放置すると、不安が広がり、クレームに発展します。LINEやメールでの問い合わせには24時間以内に返信し、電話での問い合わせにもできるだけ早く対応します。

さらに、返金は約束した日までに必ず実行します。返金が遅れると、「持ち逃げされた」と思われ、最悪の場合、訴訟に発展することもあります。資金繰りが厳しくても、返金を最優先にします。

最後に、感謝の気持ちを忘れずに伝えます。閉鎖は残念な結果ですが、これまで通ってくれた生徒と保護者には感謝しかありません。「これまでありがとうございました」という言葉を、書面でも口頭でも伝えることで、最後まで良い関係を保てます。

トラブルを防ぐポイントを押さえることで、円滑に塾閉鎖を進められます。

塾閉鎖について、検討すべき選択肢から具体的な手順まで解説してきました。閉鎖を決める前に、事業譲渡や経営コンサルタントの活用という選択肢も検討する価値があります。それでも閉鎖が最善と判断した場合は、閉鎖時期を明確にし、1〜2ヶ月前に保護者に通知します。書面、LINE、保護者説明会の3つの方法で丁寧に説明し、月謝の返金は日割り計算で迅速に対応します。他塾への引き継ぎもスムーズに行い、最後まで保護者との信頼関係を保つことが重要です。透明性と誠実さを持って対応すれば、トラブルを最小限に抑えられます。