英会話個人レッスンの料金相場は?適正価格設定と収益最大化について!

料金

英会話教室を開業する際、個人レッスンの料金設定を考えるのは難しいですね。

適切な相場を把握せずに価格を決めてしまうと、安すぎて利益が出なかったり、高すぎて予約が入らなかったりと、経営が不安定になるリスクがあります。

弊社では10年以上学習塾を経営してきた中で、料金設定が収益性を大きく左右することを実感してきました。

本記事では、英会話個人レッスンの相場を講師タイプ別・時間別に解説し、さらに高単価でも選ばれる差別化戦略と、安定した収益を確保するための価格設計まで、実践的なノウハウをお伝えします。

英会話個人レッスンの料金相場は?

英会話個人レッスンの料金相場は1回3,000円から8,000円程度で、講師の質やレッスン時間によって大きく変動します。

英会話の個人レッスンは、グループレッスンと比べて料金幅が広く、講師がネイティブか日本人か、レッスン時間が30分か60分か、対象が子供か大人かによって適正価格が異なります。 まずは、自分の教室がどのセグメントに該当するのかを明確にし、それぞれの相場感を正確に把握することが重要です。 ここでは、講師タイプ別・時間別・対象別に詳しい相場を解説します。

ネイティブ講師による個人レッスンの料金相場

ネイティブ講師による個人レッスンの料金相場は、1回60分で5,000円から8,000円程度です。

アメリカ、イギリス、カナダなどの英語圏出身のネイティブ講師は、発音の正確さや自然な表現を学べる点で高い付加価値があります。 1回60分のレッスンで5,000円から8,000円、90分では7,500円から12,000円が一般的な相場です。 ビジネス英語や試験対策など専門性の高い指導ができるネイティブ講師の場合は、1回60分で8,000円から10,000円以上の料金設定も珍しくありません。 ネイティブ講師は人件費が高いため、その分をレッスン料に反映させる必要があります。

ネイティブ講師のレッスンは発音や自然な表現という付加価値があるため、高めの料金設定が可能です。

日本人講師による個人レッスンの料金相場

日本人講師による個人レッスンの料金相場は、1回60分で3,000円から5,000円程度です。

日本人講師は、文法説明や初心者への丁寧な指導が強みであり、特に英語に不安がある生徒には選ばれやすい傾向があります。 1回60分のレッスンで3,000円から5,000円、TOEIC900点以上や英検1級など高い資格を持つ講師の場合は5,000円から7,000円という設定も見られます。 子供向けのレッスンでは、日本語でのフォローができる安心感から、1回45分で3,500円から4,500円程度が相場です。 日本人講師はネイティブ講師より人件費を抑えられるため、価格競争力を持たせやすいメリットがあります。

日本人講師は文法指導や初心者対応の強みがあり、ネイティブより低価格で提供できる点が特徴です。

レッスン時間別の料金相場(30分・60分・90分)

レッスン時間によって料金相場は変動し、30分2,000円~3,500円、60分4,000円~6,000円、90分6,000円~9,000円が目安です。

短時間集中型の30分レッスンは、子供や初心者向けに提供されることが多く、1回2,000円から3,500円が相場です。 最も一般的な60分レッスンは、大人向けで4,000円から6,000円、ネイティブ講師なら5,000円から8,000円となります。 より深く学びたい上級者や試験対策向けの90分レッスンでは、6,000円から9,000円が相場で、ネイティブ講師なら8,000円から12,000円という設定も見られます。 重要なのは、時間が長くなるほど単純に倍にするのではなく、60分の1.5倍程度に抑えることで、長時間レッスンの方がお得感を出す料金設計です。

レッスン時間が長いほど料金は上がりますが、時間比例ではなくお得感を出す価格設定が効果的です。

対象年齢別の料金相場(子供・大人・ビジネス)

対象年齢やレッスン目的によって料金相場は異なり、子供3,000円~5,000円、大人4,000円~6,000円、ビジネス6,000円~10,000円が目安です。

子供向け個人レッスン(幼児~小学生)は、1回30分から45分で3,000円から5,000円が相場です。 集中力が続く時間に配慮した短時間設定が多く、保護者が納得しやすい価格帯となっています。 大人向けの日常英会話レッスンは、1回60分で4,000円から6,000円が一般的で、趣味や旅行目的の場合はこの範囲内で設定されます。 ビジネス英語や専門分野(医療、法律など)に特化したレッスンは、高度な専門性が求められるため、1回60分で6,000円から10,000円、ネイティブ講師なら8,000円から15,000円という高単価設定も可能です。

専門性や目的の明確さによって料金相場は変動し、ビジネス英語は最も高単価を設定できます。

地域別の料金相場の違い(都市部vs地方)

地域によって料金相場には1.5倍から2倍程度の差があり、立地条件を考慮した価格設定が必要です。

東京・大阪などの大都市圏では、ネイティブ講師の個人レッスンが1回60分で6,000円から8,000円が相場ですが、地方都市では4,000円から6,000円程度となります。 これは家賃や人件費の地域差だけでなく、世帯所得や英語教育への投資意識の違いも影響しています。 ただし、オンラインレッスンの普及により、地方でも都市部と同等の料金設定が可能になってきており、対面にこだわらなければ地域差を縮小できます。 自教室の商圏内で競合調査を行い、その地域で保護者や受講者が「適正」と感じる価格帯を見極めることが重要です。

講師タイプ、レッスン時間、対象年齢、地域によって料金相場は3,000円から8,000円と幅があるため、自教室の条件に合わせた適正価格を見極めることが大切です。

とはいえ、相場を知っただけでは収益の最大化は実現できません。

相場より高い料金で収益を最大化するには?

収益の最大化のために、相場より高い料金設定でも生徒に選ばれるには、明確な専門性と独自の価値提供が不可欠です。

英会話個人レッスンは競合が多く、価格だけで勝負すると消耗戦に陥りがちです。 私が塾経営で実践してきた経験から、「この先生に教わりたい」と思わせる独自性があれば、料金が高くても選ばれることを確信しています。 ここでは、高単価設定を可能にする具体的な差別化戦略を解説します。

専門分野に特化したカリキュラムで付加価値を高める

専門分野に特化したレッスンを提供することで、相場の1.5倍から2倍の料金設定でも選ばれる教室になります。

単なる「英会話レッスン」ではなく、「医療英語専門」「航空業界英語専門」「プレゼンテーション英語専門」など、明確な専門領域を持つことが差別化につながります。 実際に、TOEFL対策やIELTS対策に特化した個人レッスンでは、一般的な英会話レッスンの2倍の料金でも受講者が集まっています。 ビジネス英語でも、「交渉英語」「会議英語」「メール英語」と細分化し、実践的なロールプレイや業界特有の表現を学べる内容にすることで、高単価でも納得されます。 専門性が高いほど、「この先生でなければ学べない」という希少価値が生まれ、料金に対する抵抗感が下がります。

専門分野への特化は、相場より高い料金でも「ここでしか学べない」という付加価値で選ばれる要素になります。

オーダーメイドレッスンで生徒のニーズに完全対応

生徒一人ひとりの目標に合わせた完全オーダーメイドレッスンは、料金を1.5倍から2倍に設定できる付加価値です。

個人レッスンの最大の強みは、カリキュラムを完全にカスタマイズできる点です。 「3ヶ月後の海外出張に向けた実践英語」「半年後のTOEIC800点達成」など、具体的な目標とタイムラインを設定し、そこから逆算したカリキュラムを組むことで、受講者は確実な成果を期待できます。 初回カウンセリングで現在のレベルと目標を詳細にヒアリングし、毎回のレッスン内容を柔軟に調整する姿勢を見せれば、「自分のためだけのレッスン」という特別感が生まれます。

一人ひとりの目標に完全対応するオーダーメイドレッスンは、高単価でも選ばれる強力な差別化要素です。

成果保証・目標達成プログラムで納得感を得る

明確な成果保証や目標達成プログラムを提示することで、高い料金に対する納得感を得られます。

「3ヶ月でTOEICスコア100点アップ保証」「6ヶ月で日常英会話が話せるようになる保証」など、具体的な成果保証を打ち出すことで、受講者は料金に対する不安が軽減されます。 もちろん、保証するには確実に成果を出せるカリキュラムと指導力が必要ですが、これまでの実績データを蓄積し、達成可能な目標設定をすれば実現可能です。 定期的なレベルチェックテストや進捗レポートで成長を可視化し、「確実に上達している」と実感してもらうことも重要です。 成果が見えれば、受講者は「この料金を払う価値がある」と納得し、継続率も高まります。

成果保証や目標達成プログラムを明示すれば、高単価でも「確実に成長できる」という納得感が得られ、収益を最大化できます。

高単価を実現する差別化ができたら、次は教室全体の収益構造を最適化する必要があります。

安定経営を実現する価格戦略とは?

安定経営を実現するには、レッスン単価だけでなく、講師の稼働可能枠と生徒数を掛け合わせた総収益で考えることが重要です。

多くの英会話教室経営者は「1回のレッスン料をいくらにするか」だけに注目しがちですが、本当に重要なのは「レッスン単価×週あたりの稼働枠×生徒数」で算出される月間総収益です。 例えば、1回5,000円で週20枠稼働できる講師の月間収益は40万円ですが、1回7,000円で週15枠しか稼働できない講師も42万円となり、後者の方が講師の負担が少なく収益性も高くなります。 ここでは、講師のキャパシティを踏まえた最適な価格戦略を解説します。

講師のキャパシティから逆算した適正料金の設定方法

講師の稼働可能時間と目標収益から逆算して、適正なレッスン料金を設定すべきです。

まず、講師の週あたりの稼働可能時間(例:週5日×1日6時間=週30時間)を明確にします。 1回60分レッスンなら週30枠が上限ですが、レッスン準備やフィードバック時間を考慮すると、実質的には週20枠程度が現実的です。 次に、目標月収(例:50万円)と固定費(講師人件費、家賃等で例:25万円)から、必要な粗利(25万円+適正利益)を算出します。 50万円の粗利を週20枠(月80回)で確保するならレッスン単価6,250円、週15枠(月60回)なら8,333円という具合に、稼働枠から逆算して料金を決定します。 重要なのは、講師が疲弊しない稼働率70〜80%で目標収益を達成できる料金設定にすることです。

目標収益と講師の稼働可能枠から逆算することで、無理のない適正なレッスン料金を導き出せます。

継続率を高めて安定収益を確保する運営のコツ

継続率を80%以上に維持できれば、新規獲得コストを抑えながら安定した収益基盤を構築できます。

英会話の個人レッスンは、グループレッスンより講師との信頼関係が深まりやすく、本来は継続率を高めやすい業態です。 継続率向上のポイントは、①明確な目標設定とマイルストーン管理、②定期的な成果の可視化、③講師とのコミュニケーション強化の3つです。 特に、3ヶ月ごとに小さな目標を設定し、達成したら次のステップを提示することで、「まだ学ぶことがある」と感じてもらい、長期継続につながります。

継続率を80%以上に保つことで、新規獲得コストを抑えた安定収益の仕組みを作れます。

単価アップと予約率のバランスを取る具体策

レッスン料を上げすぎて予約が入らなくなるリスクを避けるため、段階的な値上げと価値提供の向上をセットで進めるべきです。

いきなりレッスン料を大幅に上げると、新規予約が減少するリスクがあります。 効果的なのは、①既存生徒は据え置き、新規生徒のみ新料金、②年1回の定期的な小幅値上げ(10〜15%)、③料金アップと同時にオンラインサポートなど新サービス追加、といった段階的アプローチです。 例えば、1回5,000円から6,000円に上げる際は、レッスン後の復習用動画提供や週1回のメールフォローを追加するなど、値上げ分以上の価値提供を明示します。 また、無料体験レッスンの質を徹底的に高め、「この先生なら高くても価値がある」と感じてもらうことで、料金への抵抗感を下げられます。

段階的な値上げと価値提供の向上をセットで実施すれば、予約率を維持しながら単価アップを実現できます。

レッスン単価×稼働枠×生徒数の総合的な収益設計ができたら、さらにレッスン料以外の収益源も確保しましょう。

レッスン料以外の収益源を確保するには?

レッスン料以外の収益源を適切に設定することで、レッスン料を抑えながらも総収益を確保できます。

英会話教室の収益をレッスン料だけに依存すると、価格競争に巻き込まれやすく、収益が不安定になりがちです。 入会金、教材費、オンラインコンテンツなど、レッスン料以外の収益源を戦略的に設定することで、トータルでの収益性を高めることが可能です。 ただし、これらは受講者から見て「納得できる実費負担」として受け入れられる範囲で設定することが重要です。

入会金は、初期費用として10,000円から30,000円程度が一般的です。 入会金は受講者の本気度を測るフィルターにもなり、安易な入退会を防ぐ効果があります。 ただし、入会金が高すぎると入会のハードルが上がるため、「今月入会なら入会金50%オフ」などのキャンペーンを打つことで、集客時期をコントロールできます。

教材費は、使用する教材の実費に適正なマージンを乗せて設定します。 市販テキストを使う場合は実費の2,000円から5,000円程度、オリジナル教材の場合は開発コストを含めて5,000円から10,000円という設定が可能です。 特にビジネス英語や専門分野では、業界特化型のオリジナル教材を作成することで、教材費を高めに設定しても納得されやすくなります。

オンラインコンテンツの販売も、有効な収益源です。 レッスンの録画動画、復習用のオンライン教材、月額制の学習サポートサービスなど、対面レッスン以外の付加価値を提供することで収益を多様化できます。 例えば、月額3,000円のオンライン学習サポート(動画教材+質問し放題)を提供すれば、レッスンを受けていない週も収益が発生します。 オンラインコンテンツは一度作れば複数の生徒に提供できるため、労力対効果が高い収益源となります。

入会金・教材費・オンラインコンテンツを戦略的に設定すれば、レッスン料以外からも収益を確保し、総合的な収益性を高められます。

レッスン料、入会金、教材費、オンラインコンテンツを総合的に設計することで、価格競争に巻き込まれず、かつ受講者に納得される料金体系を構築できます。 英会話個人レッスンの料金設定は、単なる相場調査だけでなく、自教室の専門性、講師のキャパシティ、ターゲット層を総合的に考慮して決定すべきです。 適正な価格設定と独自の価値提供を両立させることが、安定した教室経営の鍵となります。